カテゴリ:科学技術に驚く
発電用の風車を10基ほど載せた巨大なイカダを洋上の風の強いところへ遊弋させて効率よく発電させる構想を NEDO が研究していた。
送電線がつながっていないから風車からの電気は送電できない。かといって蓄電池に蓄電するとコストが大幅アップ。 そこで、風車からの電気で海水を電気分解して水素にして貯め、定期的に母港に戻って水素タンクへ移す、というのが NEDO のアイディアだった。 その後、研究の進展が聞こえてこないのだが、蓄電方法として水素を利用する仕組みがとても気になっていた。 そんなわけで、下の記事には注目した。 電気分解で得た水素をトルエンに固着させて、メチルシクロヘキサンという化学物質の形で貯蔵する。 液体水素にして貯めようとすれば、冷却と高圧維持のために大量のエネルギーを浪費するのが経済上のネックだ。 それを克服する技術なのだろう。 見出しや本文中に 「水素発電」 とあるが、目玉は 水 素 蓄 電 の技術にある。 それにしても、南極観測船の積荷の半分が燃料だったとは驚き。たしかに、燃料が尽きたら即、死が待っている。 日刊工業新聞 平成23年11月8日 ≪日立、極地研から水素発電システムを受注 日立製作所は11月7日、風力発電を利用した水素発電システムを国立極地研究所から受注したと発表した。受注額は7,050万円。 風力で発電した電気を水素に変換して備蓄し、必要時に発電に使う仕組み。2011年11月から2012年3月まで、極地研が秋田県にかほ市で実験中の風力発電機に接続する。 将来は南極の昭和基地での利用を想定しているという。 日立が担当するシステムは水の電気分解で水素を発生し、これをトルエンに固着してメチルシクロヘキサン (MCH) の形で貯蔵する。 必要時には水素を分離し、軽油に混合してディーゼル発電機で発電する。 水素発生量は毎時480リットルで、変動の大きい風力発電でも対応できる。またMCHは通常の燃料タンクで貯蔵可能という。 南極観測船の運搬物資のうち半分は燃料が占めるという。輸送量に限りがあるため自然エネルギーへの転換が求められており、風力発電を貯蔵できる日立のシステムが採用された。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[科学技術に驚く] カテゴリの最新記事
水素脆性という言葉のあるとおり水素を扱うのは難しいですよね
ハイブリッド車は一般人が使うので開発に苦労したという記事がありましたね。 (Nov 18, 2011 08:53:22 AM) |
|