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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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ぼくの食堂

Nov 11, 2014
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カテゴリ:ぼくの食堂
うなぎパイは、固く焼けているのに表面にてらっとしたひと味があって、好きだ。
週末に静岡に行った女性社員がおみやげに職場で配ってくれて、久しぶりに食べた。
パイを包んだ小袋に書いてある文字も昔のままなのだが、時代が変わったからだろう、ドキッとしてしまった。

おもて
≪夜のお菓子
うなぎパイ
浜名湖名産≫


うら
≪うなぎパイは……
フレッシュバターを豊富に入れたパイに、うなぎの粉、夜の調味料ガーリックを配合し、日本茶にも、コーヒー、紅茶にも合い、あなたの暮しに微笑みのひとときを与えるお菓子です。≫


このお菓子、男のぼくは職場で配れないなぁと思ってしまった。とくに女性たちに対しては。あまりに意味深(しん)で。

セクハラということばさえ存在せず、生命保険会社の勧誘員が年末に配ってくれる卓上ヌードカレンダーが職場の机にあった昭和末期~平成1桁には、まったく自然な「にやり」感だったろう。
ところが、保険会社が子犬の卓上カレンダーに切り替えて久しい平成26年になってみると、これらのことばがタイムカプセルから取り出したような感じがする。

お菓子の製造元の春華堂のホームページを見ると、

≪夜のお菓子とは家族団らんのひとときに召し上がってもらいたいという意味です。
命名者は当社二代目社長の山崎幸一です。

うなぎパイが誕生した昭和36年は高度経済成長の真っ只中。その成長期において女性も社会に働きに出るようになり、子供たちも学校・塾など……皆が家にいる時間が少なくなりはじめていたようです。

そんな中、夜の夕食だけは家族の集まる団らんのひとときとして大切にされていた時間でした。そんなひとときに「うなぎパイ」を囲んで楽しいひとときをすごしてもらいたいと命名されたのが「夜のお菓子」です。ただ、実際には違う解釈もして買っていく方も多いようです。≫


あぁ、そういうことでしたか。まさしく「夜のお菓子」はタイムカプセルだったわけだ。

わが家など、夜の団欒のひとときという概念が結婚時点からほとんどない。いちばんの元凶は、激務のころにぼくの帰りが遅かったから。今や夜の団欒は実現可能だが、娘たちは好き勝手な時間に食事することに慣れきっていて、「ご飯だよ~」と声をかけてもなかなか集まらない。責められない。ぼくが悪いのだから。

うなぎパイにおかれては、これからも時代を超えた「にやり」を振りまいてほしいものです。



ところで、ふつうの うなぎパイ(ニンニクが入っていると言われても、ニンニクはほとんど感じられないが)に加えて、「山椒味」のうなぎパイを食べてみたいと思うのは、ぼくだけだろうか。

うなぎといえば山椒だから、春華堂さんも当然ながら真っ先に試作し、結果が散々だったから商品化されなかったのだろう。
スパイシーなものを消費者が求める世の中だし、調味エッセンスも格段に進歩しているから、ぜひもう一度、山椒味うなぎパイの開発をしてもらいたいものです。プレーンと山椒味を10本ずつ入れた20本セットとか、どうですかね。

いまのところ うなぎパイの変わり味は、アーモンド風味の「うなぎパイ ナッツ入り」と、ブランデーとマカダミアナッツ風味の「うなぎパイ V.S.O.P」だけらしい。






最終更新日  Nov 11, 2014 11:34:17 PM
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Feb 17, 2012
カテゴリ:ぼくの食堂
大柄のウェイトレスさんたちの姿は、半世紀前のコミックスで見たかも。皿運びのひとというより、レストランを演出する女優たち。

定番になっている Prime Rib Dinner をたのむと、鉄人28号の胴体のような銀色のカートが客席へ推されてきて、胴体をぱこっとひらくと巨大な骨付き胸肉のかたまりがいくつか、カリッとローストされて縦置きにしてあります。

焼き加減と希望のサイズを伝えると、料理人が肉塊からローストビーフを厚切りにしてグレービーソースをかけ、マッシュポテトや付け合せ野菜とともに出してくれる。

ロサンゼルスにある事業投資先の社長が
「きょうは肉を食べにいきますから」
というので、てっきりビーフステーキかと思っていたら、きらきらとしてやわらかなローストビーフだったのでした。

Lawry's_Roasted_Prime_Ribs_of_Beef.jpg
Lawry’s Roasted Prime Ribs of Beef

ぼくが食べたのはさすがにこれより小ぶりの標準サイズ (Lawry Cut) で、焼き加減はもっとレアなところでお願いしました。

Prime Rib Dinner は、この 「ローストビーフ+付け合せ (マッシュポテトなど)」 にサラダとヨークシャープディング (卵たっぷりの付け合せの焼きパン) がついてきます。

Lawry Cut のセットで 39 ドルですから、良心的な価格です。
写真にある大ぶりのローストビーフはたぶん Diamond Jim Brady Cut で 49 ドルのでしょう。

37 ドルの English Cut なら、薄切りローストビーフ 3 枚で 37 ドルとなります。
ぼくらを連れていってくれたひとは
「ステーキが続くときは、これくらいがちょうどいいんです」
と言いながら English Cut をたのんでいました。食べやすそうでしたね。

Lawry's_Original_Spinning_Bowl_Salad.jpg
Lawry's Original Spinning Bowl Salad

昭和13年創業以来の定番 Spinning Bowl Salad とはこれいかに。
巨大な銀色のボウルをさらに大きな氷水入りのボウルに浮かべて、くるくるくるっとスピンさせるのですね。

ボウルのなかはレタスのざく切りでいっぱい。赤いビーツの細切りやゆで卵のみじん切り、クルトンなども載っている。
半世紀前のウェイトレス姿の “女優” さんたちが、このボウルをくるくるさせながら、シェリー酒入りのドレッシングを頭上高くから たらたらりと垂らし、さくさく混ぜて出来上がりです。

この写真くらいが1人分となっております。
ローリーズが誇るサラダ作りの儀式は、肉切りの儀式に先立って行われ、お客たちは “女優” さんから前菜のたっぷりサラダをサーブされたあと、食べ終わったころにようやくまた “女優” さんが来て肉のサイズ・焼き加減・付け合せを聞かれるのですね。

付け合せのベークト・ポテトは大ぶりのじゃがいも。
ここでまた “女優” さんとのやりとりが。バターやかりかりベーコンみじん切り、青ねぎのみじん切りをかけるかと聞かれます。

「ベーコンとねぎ」 と隣の御仁が言うと、“女優” さんは手早くじゃがいもを切り広げ、大きな匙に山盛りのベーコンと山盛りの青ねぎをかけ、さっさっさとじゃがいもに混ぜ込んでサーブしてくれるのであります。

こちらのサイトで雰囲気が写真でご覧になれます

Lawry’s The Prime Rib, 100 N. La Cienega, Beverly Hills, CA 90211

ダウンタウンにあるオフィスからラッシュアワーに移動するとずいぶん遠かったので、じつは
「アメリカでステーキ食うのに、わざわざこんな遠出しなくてもいいんじゃないの?」
という思いがあったのですが、来た甲斐ありと大いに納得させられたのでした。

ぼくらを連れていってくれた皆さんに感謝をこめて、詳報させていただきました。






最終更新日  Feb 18, 2012 12:27:46 AM
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Aug 10, 2008
テーマ:中国&台湾(3137)
カテゴリ:ぼくの食堂
芥川賞受賞作 『時が滲 (にじ) む朝』 に、主人公・梁浩遠 (りょう・こうえん) のおふくろの味として登場するのが 「羊肉泡摸」 (ようにくほうも) だ。

単行本だと6ページと129ページに出てくる。
(「羊肉泡摸」 の 「摸」 は正しくは 手へんでなく食へん。)

6ページの箇所は、こうだ。

≪「もうご飯にしよう。浩遠、あんたの大好物の羊肉泡摸 (ヤンローポオモオ) だよ」 母は父の話を遮って、浩遠の手を引っ張って食卓の前に座らせた。

「羊肉泡摸、久しぶり、腹が減ったな」 浩遠の顔にやっと笑みが浮かんだ。

兄も妹ももう待ちきれない様子で、手で白い、お月様のような摸をちぎろうとしている。≫


せっかくの団欒シーンだが、どういう食べ物なのか、この描写ではあまりに素っ気なく、想像の広げようがない。

129ページでは、浩遠が父の声を聞きたくなって、日本から中国の実家に電話する。

≪「どうかしたのかい?」 父は気にかけて訊いた。

「うん、んん」 気がくさる浩遠は喉が塞がれ、否定するのに頭を振って、息が荒くなった。

「羊肉泡摸が懐かしくなっただろう? 食べたければいつでも帰って来い」

「うん」 荒い息は嗚咽になった。≫


大の大人から嗚咽を引き出すほどのソウル・フード (癒しの食)、羊肉泡摸 (ようにくほうも) とは、いかなる食べ物なのか。

中国内陸部の家庭料理なので、広東料理・上海料理・北京料理などを出す店ではお目にかからない。

さすが東京には、これを食べさせてくれる店がある。

「西安刀削麺酒樓」 というチェーン店。
(本稿の末尾に店の一覧を掲げたので、参考にしてください。)

作中にいう 「白い、お月様のような摸」 ってのは、こんな具合。
(「摸」は正しくは手へんでなく食へん。)

Suiton1.jpg

西安刀削麺酒樓では、ピザの一切れのように切ったのを出してくれた。
こうやって切る前の、丸い形の おやき は正に 「白い、お月様のような摸」 だろう。

厚さ1センチほど。
小麦粉を固く練って、発酵もさせず ふくらし粉も加えず、そのまま弱火で焼いたもの。

Suiton2.jpg

これをまず細かくちぎるのであります。

Suiton3.jpg

そしてそれが厨房に戻され、羊肉と春雨とともに滋養たっぷりのスープで煮込まれて出てくる。

Suiton4.jpg

ど~ですか。
付け合せは、ラッキョウとコリアンダー、豆板醤 (とうばんジアン)

Suiton5.jpg

ご覧のとおり 「小粒のすいとん(水団)」 というのがぴったり。

食感も、すいとん そのもの。粉をいったん練って焼いてあるので、澱粉がスープにあまり溶け出さないのも、いい。

『時が滲む朝』 でも、「羊肉泡摸 (ヤンローポオモオ)」 ではなく、「羊の煮込みスープのすいとん」 と言うておれば、日本語の読者の脳裏にイメージを大いに広げたのではないか。

椀の底にひそむ羊のぶつ切りも食いでがあります。

Suiton6.jpg

スープに豆板醤を加えて、いっそう食が進みます。

Suiton7.jpg

西安刀削麺酒樓のメニューによれば、 「羊肉泡摸」 は

≪お好みの大きさにちぎった西安式ナンを柔らかなラム肉、ヘルシーな春雨と一緒にさっぱりしたスープで煮込んだ西安名物料理。≫

なるほど。 「西安式ナン」 ときましたか。
日本人には、この説明がいちばん直截 (ちょくさい) で分かりやすい。

西安刀削麺酒樓の 「羊肉泡摸」 は、大が1,000円、小が630円。
写真は、小。 ひとりなら、これで大満足だ。

わたしが敢えて 「ようにくほうも」 と音読みするこの食べ物。

西安刀削麺酒樓のレシートを見たら 「ヤンルーポーモー」 と書いてあった。

『時が滲む朝』 では 「ヤンローポオモオ」 だが、北京音を正確にカタカナに移せば 「ヤンロウパオモー」 なのだ。

こういうカタカナ化のいい加減さが、わたしには許せない。


西安刀削麺酒樓の三田店 (下の写真。目下、仮店舗) で撮った。

三田店は、港区芝五丁目25-7。電話 03-3769-6568. 年中無休。

Suiton8.jpg

ほか、
虎ノ門店。 港区虎の門一丁目11-10、電話 03-5512-7088. 日曜・祝祭日休み。

神田店。 千代田区鍛冶町一丁目5-3 泰成ビル、電話 03-3253-5993. 土・日・祝祭日休み。

神保町店。 千代田区神田神保町二丁目26-7。電話 03-3239-4466. 日曜・祝祭日休み。

本郷店。 文京区本郷二丁目40-13 本郷コーポレイション2階。電話 03-5842-3118. 年中無休。






最終更新日  Aug 10, 2008 10:09:56 PM
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Jul 25, 2008
カテゴリ:ぼくの食堂
漁師さんの全国一斉ストの日、朝の「とくダネ!」の解説で言っていたこと。

魚の販売は、いまや7~8割をスーパーマーケットがおさえていて、スーパーマーケットがサンマ1匹100円で売ろうと決めるところから価格が形成されてゆく。

「スーパーでサンマを100円で売るには」ありきで、仲買人の買い付け価格が決まり、漁師さんの実入りが決まる。

農作物の場合は、市場(いちば)で値段が決められるとき作り手の事情も反映されるのだが、魚の値段はスーパーが決めてしまう。

農作物と魚で、こうも扱いが違うのがなぜなのか気になって仕方がなかった。
このままでは日本の漁業が崩壊してしまうが。


◆ 支える産業群 ◆


ふと、日本の漁業に崩壊されても、それで困る産業がほとんど無いことに思い至った。

たとえば、農業が崩壊すると、肥料メーカーが困る、農業機械メーカーが困る、農業用のビニールシートのメーカーが困る、農業用の段ボールのメーカーが困る……という具合に、農業を支えている関連産業がわんさと思い浮かぶのだ。

そして、肥料や農業機械や農業用のビニールシートは、農業のためだけに作られるものだから、農家の側が団結すれば価格交渉力がつく。

漁業の場合はどうだろう。

漁船も網も運搬用のプラスチックケースも、使い捨てではない。使い回してゆく。
購入量は、知れている。

経常的に消費されるのは、漁船を動かす重油であり、氷をつくるための電気だが、重油や電気の価格交渉を漁師さんたちがやれるものではない。


◆ 店頭の付加価値 ◆


農作物の場合、生産地できれいに包装して、そのままスーパーの店頭に並べるところまで「製品化」できる。

この「製品化」が、無視できない付加価値だ。

鮮魚の場合はちがう。

スーパーまで箱入りで冷蔵されて届く鮮魚を、スーパー側でさまざまに加工することではじめて商品となる。

商品化、製品化の部分をスーパー側でやっている比重が高いから、おのずとスーパー側に価格決定力が移るわけだ。


◆ 魚のさばき方を家庭科で教える ◆


日本の漁業を生かし続けるには、どうしたらいいのだろう。

燃料費補填の社会主義経済を、今さら導入するのには反対だ。

しかし、魚のおいしさを子供たちに知らせるために、給食につかう鮮魚代やその調理機器代を補填するというやり方は、あってもいいと思う。

さらに、家庭科のカリキュラムに鮮魚のさばき方、食べ方を教えるコマを小学校・中学校・高校それぞれに入れてゆく。

日本文化の継承という意味合いもある。

そういうところから取り組んでゆく価値は、じゅうぶんあると思う。

鮮魚はうまい。煮魚、焼き魚が大好きだ。






最終更新日  Jul 25, 2008 08:15:26 AM
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Jul 3, 2008
カテゴリ:ぼくの食堂
7月1日発売の「マンゴーミルキー」は出色の出来です。

Mango_Milky

マンゴーの、一口めの 「ポッ」 と軽い腋臭(わきが)みたいな匂いまで再現されているんですねぇ。

これはね、本物のマンゴーを食べたことのある人が増えたから商品化できたんだと思う。
(10年前だったらNGです。)

いまだに昔ながらの蝋(ろう)びきの紙で包んであるミルキーが、ぼくは大好きです。

ミルキー資料館で調べた。

これまで「いちごミルキー」(平成13年発売)をはじめ、
バナナミルキー
ココアミルキー
ももミルキー
カフェ・オ・レ ミルキー
抹茶ミルキー
ロイヤルミルクティー ミルキー
パイナップル ミルキー

と、いろんな変わり味ミルキーが出ていた。

このあいだまで抹茶ミルキーを食べていました。

Green_Tea_Milky

これもおいしかったのだけど、どうも変わり味ミルキーは1時期に1種類しか販売しないようです。

次は、
ブルーベリー ミルキー
なんか、どうでしょう。

フルーツ味の詰め合わせも出してほしいなぁ。






最終更新日  Jul 4, 2008 08:22:40 AM
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Apr 10, 2008
カテゴリ:ぼくの食堂
昭和30年代に出版された小学館の学習図鑑で「21世紀の生活のようす」といえば、3種の神器は「エアカー」「壁掛けテレビ」「電子レンジ」だった。


エアカーは、鉄腕アトムなどのアニメでもおなじみだったけど、

じっさいに空気で車体を浮かして走れば、街には砂塵がもうもうと舞い、激しい空気音は堪えがたい公害となったはず。

他の2つの夢に比べて明らかに現実性とぼしい神器であるが、ひとは当時なぜあれほどエアカーにこだわったのだろう。


壁掛けテレビは、ちょうど21世紀にはいって想定どおりのものが普及しはじめた。

電子レンジは、21世紀など待たずに昭和40年代には普及がはじまったが、昭和30年代の図鑑にはたしか
「ハンバーグもたった3秒で調理できます」
と書いてあった。

だから実際の電子レンジでは調理に1分も2分もかかるのでがっかりしたのだけど、これはまあ、出力さえ上げれば「ハンバーグが3秒で調理できる」機種も作れなくはない。


4月2日の『ニューヨーク・タイムズ』紙に Harold McGee 記者が電子レンジ使用の注意点について書いていた。

米国の、電圧 220ヴォルト、電気容量 1,100ワットの電子レンジとなると調理物の反応も激しい。

バターを長時間加熱すると、バターの水分が沈下してあつまり、それが一気に沸騰爆発してレンジのなかがバターまみれになります、とある。

水を長時間加熱すると、100度を超えても沸騰状態にならないことがあります。そういう超加熱状態の水をちょっと揺らすと、一気にはげしい沸騰が起こります。

古くなったパンやナッツを長時間加熱すると、外面には変化が見られないのに内部だけ真っ黒に炭化します。
これは、表面温度がさほど上がらないのに、内部の熱は発散せず炭化するほど高温になるからです。

……出力が高いとこんなことも起こるのか。


ハンバーグが3秒でできる電子レンジだったら、こういう調理場の悲劇が日常茶飯事になっていたろうか。

0.01 秒単位で管理する電子レンジの温度制御技術も進んだはずだ。






最終更新日  Apr 10, 2008 06:59:08 PM
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Feb 2, 2008
テーマ:中国&台湾(3137)
カテゴリ:ぼくの食堂
 わたしの母の実家は「寿し治」(すしはる)という寿司屋だった。松山市の繁華街の二番町の小さな通りにあった。

その辺り、昔は北京町といった。「ぺきんまち」ではなく「きたきょうまち」と読む。
町名整理で地図から「北京町」は消えたが、「きたきょうまち」という華やいだ響きはなんともいえず好きだ。

わたしが9歳ごろまでは「寿し治」の経営も順調だった。
休日になると時々家族でお邪魔した。

勝手口から入って裏の座敷にあがると、そのうち「ぬく寿司」(蒸しせいろ寿司)や「伊達巻寿司」(海苔の代わりに厚焼き玉子で巻いた大ぶりの寿司)を出してくださったものだ。

おいとまの時間になると、近くにあった当時松山一の中華レストラン「泰平楽」(たいへいらく)の熱々の焼き餃子を発泡スチロールの小さな平箱入りでおみやげに下さったことが何度かあった。

なにしろ40年前で、冷凍餃子など売ってなかった時代だ。
ぱりぱりの皮をかじると肉汁が出てきて、肉粒が舌の上で踊ったのを今でも覚えているから、よほどうまかったのだ。

いつもは「何を食べてもおいしいんじゃがね」と言って、食事は好き嫌いなしに残さず食べろという父が、泰平楽の焼き餃子に限っては
「子どもに食べさせたかて味なんか、よう分からんのじゃけんね」
と言って、1個しか食べさせてくれなかった。

いちど、母が餃子の皮を買ってきて手作りの餃子を作ってくれたことがあった。
どんな味だったか覚えていない。
そのあと何度も「手伝うけん、餃子作ってや」とせがんだが、
「餃子の皮つつむんは、むずかしゅうてねぇ」
と言って、けっきょく二度と作ってくれなかった。

母の準備する食卓に餃子がのぼりはじめたのは、スーパーで冷凍ものが買えるようになってからだった。


 さて、餃子をたらふく食いに何度も通ったところといえば、広東省珠海市の新開地にある雑然とした水餃子の店。

10年近く前のことだ。

「豚肉餃子」や「豚肉+白菜の餃子」が定番だが、わたしが愛したのは「羊肉餃子」に「セロリ餃子」、「酸白菜餃子」。

「羊肉餃子」は、頬ばるとあたかも濃厚なバターの香りが口に広がる。

「セロリ餃子」 (“芹菜餃子”) は、しゃきしゃき感の残るセロリ入り。
セロリにはうっすらと塩味がついていた。塩茹でにしてから刻んで餃子に包んだのだろうか。
セロリのさわやかな香りが食欲をそそった。

「酸白菜餃子」は、乳酸発酵させた白菜漬を刻んで餃子の具にしたもの。
これまた、うっすらとした酸っぱみが口をさっぱりさせてくれて、さあもう2つ、あと3つ、ぷるりぷるりとした水餃子を運ぶ箸が止まらなくなるのだった。


 農薬入り餃子の報に 「それみたことか」という評論はすでにたんと書かれているので、泉流としてはいささかの思い出を書かせていただいた。

問題の「天洋食品」は中国河北省石家荘(せっかそう)市にある。

ちかぢか築地の人民日報が、毒消しに「石家荘大虐殺」捏造記事でも書くのではないかと、半分本気で心配している。

今回の一件がめぐりめぐって中国共産党と軍の権力闘争の材料にされ、真相追究が遠のいたりせぬことを祈るばかりである。


 中国の食の安全に信頼感が置けない根本の理由は、かの国の言論統制にある。

危険食品についての報道が中国で自由化されて、悪質業者があっというまに市場の批判にさらされる“普通の国”になれば、業界はかなり浄化されるはずなのだが。

言論統制の体質を変えぬかぎり、中国共産党の役人がテレビカメラの前でどんなきれいごとや強がりを言っても信頼回復にはつながらない。






最終更新日  Feb 2, 2008 08:09:00 PM
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Feb 1, 2008
テーマ:中国&台湾(3137)
カテゴリ:ぼくの食堂
4日間ほど、台湾のとある発電所ちかくのド田舎にいた。

発電所長が「このまちではここがいちばんうまい」という店でわいわい夕食をとっていたら、横合いからギュヒーと鳴きながら豚がのそのそ入ってきて、店の人がすぐ追い出しにかかった。

その店の名物が、鶏のぶつ切りと棗(なつめ)、枸杞(くこ)の実、山人参などを米焼酎で煮込んだ“焼酒鶏”という鍋物。

酒の肴とアルコール摂取が一度で済んでしまうという手間いらずである。

かき混ぜると、目をつぶってくちばしをかわいく開けた鶏ちゃんの生首が鍋の底から浮いてきた。

わたしは大丈夫だが、日本の鍋物でこれをやったらたぶん不気味がられる。

「煮込んであるからアルコールは飛んでるさ」
と台北から同道してきた台湾人が言うのだが、そんなことはない。
煮汁に、強めのビールくらいのアルコールを感じた。


アルコールを飛ばすために、鍋をがらがら沸かしてフランベしている卓があった。

うすいピンク色のほのおを盛大に上げながら、煮汁のなかのアルコールが燃える。

じつはそれを見たから食べてみたくなったのだ。


その店の他の料理がどれもうまいなか、“焼酒鶏”は塩味がほとんどなく、味は期待はずれだった。

「塩を足そう」と言い出そうか……
いや、もともと、こういう味なのかもしれない……
とにかくアルコールで漢方薬材らしきものも煮たのだから体にはいいだろう……
などと考えながら
誰よりもたくさんおかわりをしていたのであった。






最終更新日  Feb 1, 2008 09:04:33 AM
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Jan 12, 2008
テーマ:韓国!(12736)
カテゴリ:ぼくの食堂
韓国の取引先のビルの窓から見下ろすと通りの向かいに「チュオタン」と書いた看板が見えた。(もちろんハングルで。念のため。)

周囲をビルに囲まれるなか、その食堂だけが平屋の建物で頑張っている。

韓国のどじょう汁というのがどんなものか、今回のソウル出張最終日にようやく体験できた。

基本の味付けは味噌(熟成がすすんでチーズっぽい旨みあり)+ 青唐辛子 + 胡椒 + 山椒。

わたしが行った店は具がごぼう、韮(にら)、もやしなど。
テーブルの上のガス焜炉でアルミ鍋をぐつぐつ。
蓋を開けてかき混ぜたら、店のおばさまが「もっと煮込むのよ」という。

蕪(かぶ)キムチや分葱(わけぎ)キムチを食べながら待ちに待って、ようやくお許しが出た。

お椀に具と汁をつぎ、アルミ碗のご飯を平たいスプーンですくって汁に混ぜながら食う。

味噌が粒々している。ごぼうや韮の表面に細かい味噌粒がいっぱい付いている。
ところが肝心のどじょうがいない。
きっと鍋の底のほうにたまっているのだろう。

鍋から杓子で2杯目をすくう。
まだ、どじょうにお目にかからない。

そのうち、どじょうのものらしい小骨の小さなかけらを舌先で発見した。

ひょっとして、どじょうは鍋に入れる前にすっかりすりつぶされていたのでは?
細かな味噌粒と思っていたのが、あれがどじょうのミンチだったのではなかろうか。

どじょう鍋の底まで全部お椀にすくって、仮説は確信に変わった。
想像していたどじょうの切り身はどこにもなかったのだ。

鍋を食い終わるころには、わが胃袋はサンバを踊っていた。

お勘定を頼んだら、どじょう鍋(チュオタン)は7千ウォン(840円)だった。

韓国なので、キムチ3種と青菜のおひたし、にんにく酢醤油漬、煮干のにんにく風味佃煮の小皿が食べ放題で、このお値段。
ご飯は、ちょっと粟(あわ)をまぜた雑穀ご飯だった。

店はソウル江区の「元祖原州鰍魚湯」。創業30年が自慢だが、店内の見かけは雑然とした大衆食堂だ。

店を出たら、扉のわきの地面にプラスチックの箱がどてんと2つ置かれて、どじょうの群れが水のなかでうねっていた。

何匹食ったのだろう、わたしは。

次に行くときは、魚の形をとどめた「揚げどじょう」を醤油だれで食ってみたい。






最終更新日  Jan 12, 2008 11:31:49 PM
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Dec 19, 2007
カテゴリ:ぼくの食堂
「奈良漬を食べて酔うこともある」という話。

いつも話半分に聞いていたのだけど、キュウリとジンとヴェルモット酒で作る「食べるマティーニ」のことを読んで、奈良漬の話も嘘ではないと知った。


キュウリの皮を剥き、お好みの形に切る。
ジンとヴェルモット酒を8:1の割合で混ぜ(う~ん、ヴェルモット酒の比率が高いな)、これを満たした広口ビンにキュウリを入れる。
キュウリのわずかな苦味を抑えるために、隠し味のシロップを少々。

ここで登場するのが科学技術。
広口ビンを脱気して真空に近づけると、キュウリのなかの空気も抜ける。

ははぁ、キュウリが食べるとかりかりするのは、なかに空気を帯びているからか。

そういえば、煎餅やクラッカーがぽりぽりかりかりするのも、なかに細かい空気の部屋があるからだもの。
なかに空気が入ってなければ、煎餅もクラッカーも石のように硬いはず。

さて、ここからが山場で、真空密閉を解いて空気を入れ込むと、あら不思議、かりかりキュウリの空気が入っていた部分に、こんどはマティーニが流れ込み、キュウリのマティーニ漬がいっきにできてしまう。

この間、わずか2分間。
だから、キュウリのサクサク感は失われない。

テーブルに出すときには、セロリシード(セロリの種)、ライムの皮のすりおろしと塩を少々。

12月9日付の The New York Times Magazine(『ニューヨーク・タイムズ』紙の日曜別刷り)で読んだ。
題して The Edible Cocktail(食べられるカクテル)と。


「つまみと酒がいっぺんに取れる究極のビジネスマン食品だ」とオチをつけそうになった。
いかん、言語発想がいじましく毒されている!(←ひとりごと)






最終更新日  Dec 19, 2007 08:11:16 AM
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平成20年 配信コラム ベスト10


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