|
カテゴリ:カテゴリ未分類
![]() かつては山荘の周辺一帯でも猖獗を極めたセイタカアワダチソウだが、近頃は特定の場所以外に目にしなくなった。 この北アメリカ原産の帰化植物は秋の花粉症の原因として大いに喧伝されたものだが、虫媒花のセイタカアワダチソウにとっては全くの濡れ衣であった。 セイタカアワダチソウが瞬く間に日本全土に広がった原因は、養蜂業者が花の少ない時期の集蜜用として全国に種子を散布して歩いたなどの話が伝わっている。 異常とも言える猛繁殖は米軍の物資に付着して人為的に種子散布されたなどの他に、セイタカアワダチソウの根から放出されるシスデヒドロマトリカリアエステルという特異物質が寄与していることが突きとめられている。 このシスデヒドロマトリカリアエステルには周囲の植物を駆逐し、自己の勢力範囲を広げたりする作用のあることが知られている。 東北帝大で生物学の初代教授となったH・モーリッシュが、オーストリアに帰国後「アレロパシー」(1937)を出版した。 アレロパシーの概念を「植物が放出する化学物質が他の生物に阻害的あるいは促進的な何らかの作用を及ぼす現象」としている。 現在は「他感作用」あるいは、「遠隔作用」と呼ばれている。 アレロパシーは植物が成長の場を確保するために、根や葉などから自己以外の植物の生長を抑制する物質を分泌する現象である。 最も代表的な植物としてセイタカアワダチソウやヒメジョオンなどが知られ、昔から蕎麦にも雑草抑制の作用のあることが知られている。 アレロパシーは、忌地などによる連作障害の原因の1つでもあると考えられている。作物が固有の物質を分泌し、これが同種または近縁の作物の発芽や生育に阻害的に働くとされる。 忌地の解決策としては輪作方式を採用することが,最も望ましいとされる。 植物体からのアレロパシー分泌には直接抑制物質を飛散あるいは溶出したり、植物が朽ちて分解されそれらが抑制的に働く場合などがある。 畑や菜園ではアレロパシー植物の混作や輪作、刈り取り枝葉での地面被覆等によりアレロパシーを活用出来る。 セイタカアワダチソウのアレロパシー物質は根に存在し、水に不溶で気候の影響を受けずシスデヒドロマトリカリアエステルを放出し土中に蓄積する。 セイタカアワダチソウのアレロパシーは、他の植物の発芽を抑制することで自己を増殖させているとされるが、成長した雑草を枯らす目的で除草剤の代用として使用しても効果は望めない。 一頃土手や休耕地・荒れ地の一面に黄色の花を靡かせていたセイタカアワダチソウだが、目にする機会が減ったのはアレロパシー物質が土中に溜り自らもアレロパシーの影響を受け始めた結果だと言う。所謂、忌地と同じ現象であろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年10月16日 09時35分27秒
|
|