ひこじいさんのブログ

2016/10/13(木)09:35

啼いて血を吐くと言われるのは鳥です。

           シロハナホトトギス            先祖返り            ホトトギス            雌しべ            雄しべの葯 名前を鳥の名前からもらった植物に、ホトトギス(杜鵑草)がある。 ホトトギスの胸にある斑点模様が、花全体に見られるところから付いた名前である。 東アジアに19種類が確認されているが、そのうち10種類は日本固有の種類とされる。 直射と乾燥に弱い植物であるため、山野の林下や林縁・崖や傾斜地などの比較的日当たりが少ない場所に自生する。 楕円形で長い葉が互生し、表面には毛が生える。 最も一般的な種のホトトギスは関東での花期は、金木犀が咲き終わった頃の10月中旬に咲き始める。 雌雄同花で上向きに咲き、直径数cmの6枚の花弁を持つ花は種類によって一花が2~4日間咲いている。 顕微鏡で見ると雌しべが持つ毛の先には、透明な蜜球のような玉を付けているのが分かる。 山野に自生するヤマホトトギス(山杜鵑草)は、北海道から九州まで広範囲に分布する。 草丈は50cmほどとホトトギスに比較して低く、開花期間は2日間と短い。 ホトトギスの中では最も早く、初夏には開花する。 花は茎先と葉腋に着き白色で紫色の斑点が入った白色の花被片には、紫色の斑点が入る。 蕾が頂点から割れて、中央から折れるように広がって花が咲く。 花被片は上部で水平に開いて他のホトトギスソウのように反りかえらず、花被片の下部に黄色の斑点が入らない。花糸には、紫色の斑点を欠く。 ヤマホトトギスの葉は、ルリタテハの幼虫の餌である。幼虫に食べられてしまうせいか、花は余り目立たない。 ホトトギスは日陰でも育つ秋の花として、園芸植物として利用価値が高い。 園芸品種としてはシロホトトギスがあるほか、ホトトギスとタイワンホトトギスの交配種も「ホトトギス」として出回っている。 これらの中で最もポピュラーとされる種はホトトギス(杜鵑草)で、草丈は1mと高く花は葉腋に1~3個ずつ付き花の寿命は長くて一花が4日間咲く。 ホトトギスは山野草として人気があり夏以降に花が咲くことから、夏の季語として親しまれてもいる。 「啼いて血を吐く」と言われる独特な鳴き声を持つ、鳥のホトトギスには幾つもの伝説がある。 昔の中国に長江流域に、貧困を極めた蜀という国があった。 そこにある男が現れ農耕を指導して、蜀を再興し帝王となり「望帝」と呼ばれた。 後に帝位を譲り、望帝は山中に隠棲した。望帝が死ぬとその霊魂はホトトギスに化身し、農耕を始める季節が来ると鳴いて民に告げるようになったという。 この伝説にもあるようにホトトギスが古来より「霊鳥」とされていたことから、その名前を貰った花も気高く格調高い花として親しまれるようになったのだという。 メガルガヤ(雌刈萱)・リンドウ(竜胆)・コウヤボウキ(高野箒)・ユウゼンギク(友禅菊)・オケラ(朮)・ヤハズススキ(矢筈芒)・シマアシ(縞葦)などと取り合わせて茶花や生け花として古くからよく用いられている。 我が家にはヤマホトトギス・シロハナホトトギス・ホトトギスの三種類があり、それぞれ時期を違えて咲いてくれる。 園芸種のシロハナホトトギスは9月中旬に開花する。元は白花だが先祖返りをして、ホトトギスと同じ濃い紫色の斑点を持つものやその中間色も出現する。 他の種は年々株を大きくするのに、シロハナホトトギスは3~5年で嫌地により全体が消滅してしまう。 山荘の庭に足の踏み場もないほど一面に生い茂っていたシロハナホトトギスは、今では1/10ほどに減っていつ消えてもおかしくない状態になっている。 今年は自宅の庭へ移して、育苗したいと考えている。      花言葉    永遠にあなたのもの 秘めた意志 永遠の若さ

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