2008/10/21(火)22:57
宮廷画家ゴヤは見た
2008年 アメリカ
監督 ミロス・フォアマン
キャスト ハビエル・バルデム
ナタリー・ポートマン
ステラン・スカルスガルド
18世紀末のスペイン。宮廷画家に任命されながら、権力批判と社会風刺に富んだ作品も精力的に制作し続けるゴヤ。彼が手がけた2枚の肖像画の人物―裕福な商人の娘で天使のように美しいイネスと、異端審問を強硬するカトリック教会の神父ロレンソ―が運命的に出会う。異教徒の疑いで捕えられたイネスを救ってほしいとゴヤに頼まれたロレンソは、拷問を受け牢に繋がれたイネスに面会し、思わず抱きしめるのだった。
タイトルからゴヤが宮廷内で見聞きした事件の謎解きか?と思ってました。
それじゃまんま「家政婦が見た」だよ(爆)
ではなく、ゴヤの目を通して見た18世紀末から19世紀初頭のスペインの混乱と
それに翻弄された一人の少女と、常に時流に乗って上手く生きてきた男の
成功と破滅を描いた歴史絵巻でした。
あらぬ疑いで拘束され拷問を受けるイネスが哀れです。
観終わった後、とても不快な気持ちになりましたが、
それはカソリックに、信仰そのものよりも
それを権力として行使する人間の汚さに嫌悪感を覚えたからだと思います。
超長文の感想をうっかり消してしまいました(T.T)
気力が失せて半分以下に。。。
重たいけどずっしりと心に残る作品だったと力説したのに(号泣
画像以下はネタバレしてますのでご注意下さいね。
ロレンソ神父が嫌なやつ。
教会の権威を回復するため異端審問の先鋒となったのは教会内での発言力を高めるためだろう。
イネスの父親に娘の釈放を求められ、それを拒否すると父親に天井から吊るされてしまい、「私はサルの子だ」との告白文に署名させられる。これは拷問による告白は無意味だとの証明だが、このシーンに「父ちゃんえらい!!」と心の中で喝采を送りましたよ。
同じ拷問でイネスは異教徒と告白させられていたので。
後にこの告白文が問題となり審問にかけられたロレンソはあっさり逃亡。
その後フランス軍の高官として舞い戻ってきたロレンソは権力を欲しい侭にする。
この狡猾な男をハビエル・バルデムが怪演している。