よもやまシネマ

2008/10/30(木)00:31

透明人間の納屋

本(336)

『透明人間の納屋』 島田荘司 著 内容(「BOOK」データベースより) 透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。見えないから誰も気がつかないだけなんだ、この町にだっているよ。…学校、友人、母親、すべてに違和感をもって生きる孤独な少年、ヨウイチがただひとり心を開き信じ尊敬する真鍋さんの言葉だ。でもどうしてそんな秘密を知っているのだろうという疑問がぬぐいきれないでいるところに、不可解な誘拐事件が発生した。密室から女性が蒸発したかのように消失したのだ。透明人間による犯行だと考えると謎は氷解するのだが。 「太陽系はね、時速百万キロというものすごいスピードで宇宙を突き進んでいるんだ。」 星の降る夜、真っ暗な海岸で空を見上げながら宇宙の深遠について語る男、それを聞き逃すまいとする少年、もういきなりこの本に引き込まれてしまいました。 これは一応児童書です。 子供が手に取る本です。 いいのか??? かつて子供だった大人だけを相手に書かれたものなのかな? 今時の小学生や中学生はこんな内容には驚かないのかもね。 この本を私がもしも小学生の頃に読んでたら、読んでる途中に母から声でもかけられたら 顔は赤らみ目は泳ぎ、挙動不審に陥ったであろうと推測されます。 鮮明に思い出してしまいましたが、祖父の持ってた時代小説(春陽文庫だったと思いますが)それをこっそり読んでて、母の気配を感じて慌てて隠した、それと似た雰囲気の性的な描写があります。 昔の子供は純情だったな。 この程度でハラハラドキドキしてたんだから(^^; 最初のうちは母子家庭の少年が隣に住むおじさんの中に理想の父親像を見出し、なんでも知っててなんでも出来るおじさんを崇拝しきってるほのぼのした描写でしたが、中盤、密室ミステリになり、大人の男女のドロドロが入って、最後は北朝鮮の拉致問題にまで発展。 結末はとても重たいものでした。 一気に読んでしまいました、おススメです。 透明人間の納屋

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