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カテゴリ:思うこと
最近、妹尾河童著の『少年H』という本を読んでいる。
別に妹尾河童が好きなわけではないが、たまたま手元にあったので。。 これは、太平洋戦争の時代の神戸を舞台にしてる小説。 小・中学生だった著者の自伝的小説で、子供の視点から書かれているのが面白い。 ところで、日本人って、血液型の話をするのが好き。 外国の人に、「あなたは何型ですか?」なんて聞くと、「何でそんなこと聞くんだ」と妙な顔をされた上に、「調べてないから知らない」といわれることが多い。 日本人はほとんどの人が自分の血液型を、知ってる。 なんでだろう?? と、思っていたら、この本の中にこんなことが書いてあった。 ----------------- ~~「空襲時の負傷に備え、自分の血液型を知れ」という記事が新聞に出たり、隣組の回覧板が回ってきた。 回覧板には、”家族全員、血液型を調べましょう”という大きな文字の下に、「各自の胸に名前と住所、血液型を書いた布を縫い付けること。特に血液型は大きくはっきり書くこと。それが貴方の命を救う!」と書かれていた。 それから、あちこちで「あんたの血液型は何型?」ということが話題になるようになった。~~ ----------------- 子供は学校で調べてもらい、働いている人は工場などで、町の人は巡回の「血液型調査班」が調べてもらって、全員が自分の血液型を知ることとなったようだ。 なんだかすごく、リアルな感じ。。 ちなみに本によると「×型はこんな性格」なんて話も、この頃すでに話題になっていたらしい。一体どこからそういう情報が入るのか不思議・・・。 とにかく、これを読んで、日本人の血液型好きの背景には、この『戦争』という事実があるのかなぁ、と思った。 そう思うと、ちょっと悲しくもなった。 時がたてば、戦争体験世代はどんどんいなくなって、日本は『戦争を知らない人たち』の国になる。でも、あの時代の痕跡は知らず知らずのうちに私たちの習慣の中に残っているのかもしれない。 スウェーデンは戦争を全く知らない国。 この国の人たちと日本やその他戦争体験国の人たちの感覚には、もしかしたら大きな隔たりがあるのかもしれないなぁ、、なんて、ぼんやり考えたりもした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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