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言葉を“面白狩る”

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「言葉を“面白狩る”」、たまに更新します。

----主な参考辞書----
*岩波書店『広辞苑』第五版CDROM版 *小学館『日本国語大辞典』
*学習研究社『漢字源』電子ブック版 *岩波書店『岩波日本史辞典』CDROM版
2019/02/11
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拙者事不慎にて、上へ御苦労相かけ候ては恐入候間、今晩自殺致候。御母様へ対し申訳無之、不忠不孝の名後世にのこり、何とも其許にも申訳無之、サゾ々々後に御困難可被成候間、必死御救申上候様頼存候。茂兵衛、喜太郎などへも宜敷、此様なる書は涙のたね故略し申候。頓首
  十月十日
 助右衛門殿(渡辺崋山集第3巻」)

拙者こと、不注意で殿様へ御苦労をおかけしては恐れ入るので、今晩自殺します。御母様に対し申し訳けがなく、不忠不孝の名が後世に残り、何とも貴方にも申し訳けなく、さぞさぞ今後は御困りになるでしょうから、必死に御救い申し上げる様頼存候。茂兵衛は喜太郎などへもよろしく、このような此様な手紙は涙の種なので、略します。

この渡辺崋山の遺書は、ただ一人の弟、助右衛門に宛て、遺族のことを頼んだものだそうです。母親の事が心配で、「必死御救申上候様」にと頼んでいます。
「頼候」でもよさそうなのに、「頼存候」とありますので、「頼存」という言葉を使う文書を探しました。手紙など多くの文書で見つかりましたが、辞書には載せてありません。田中善信『書翰初学抄』だけに、「頼存候 依頼した」との説明がありました。「頼む」の説明があるので、「頼存」の解説は不要と辞書編集者は考えたのかもしれませんが、「頼」に「存」を付けると言葉のニュアンスが多少変化するのではないかと思います。「お頼みしたく存じます」かな……。






最終更新日  2019/02/12 12:14:05 AM
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