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カテゴリ:つぶやき
毎朝通勤で通る道沿いに、 今春入院していた時に同室だった老夫婦のおうちがあります。 その老夫婦とは、面と向かってお話もしなかったのですが、 心の中に深く残っていて忘れることができないのです。 今年最も私の心を揺らしたお二人かも(笑)。 おくさんが初期の癌で入院されている事は、 カーテン越しの話で気付いてしまいました。 告知もされていたようなので回診の時とかも、 ドクターが割とオープンな感じで話していて、 ついつい聞こえてしまうんです。 (余談ですが、これはあまりよくない事ですよね。) だんなさんが付き添っているのだけれど、 付き添っておいでになる間は、 ず~~~っとおくさんに話しかけてらして、 それがまあとっても可愛いことをおっしゃっていたんです。 例えば、退院した後の生活を不安に思ってらっしゃるおくさんに、 「ベッドがよかったらベッドを買おう。 落ちたらいかんけんくっつけような。」とか話しかけてる。 また別の時は、このおとーさん付き添いをしながら、 道路の拡張にひっかかったおうちの取り壊しと新築との事で、 夜は帰宅されて朝またやっておいでになると言うパターンで、 ご自宅では洗濯もお料理もしているらしく、 お昼前に病室に到着されると、 今日はこんなことをしてこんなものを食べて出てきたと逐一報告されてるんです。 それで、「夜はやっぱりさみしいわ。」とぽつりとおっしゃる。 本当にぽつりと。 うーっ。 カーテンのこちらで私は何度涙ぐんだことやら。 あぁ、このお二人はこうしてずっとやっておいでになったんだって、 お二人の時間の重みを感じて心が揺れました。 おくさんはおとなしい感じの方だったので、 ず~っと黙って聞いてらしゃるんですが、それがまたいい感じなんですよ。 ふたりにしかわからないものがあると言う事って、 すごい事なんだと感服したのでした。 限りなく崇高な時間だと思いました。 「愛すること」「寄り添うこと」をこのお二人に教えてもらった気がします。 今朝もおふたりを思い出し、心をあたたかくしながら出勤し、 夜、偶然NHKに出演していた平原綾香の、「BLESSING 祝福」と言う歌を聴きました。 いい曲ですね。すんなり心に入ってくる感じがとてもいいです。 「愛すること」「寄り添うこと」を思い出させてくれる曲だなぁと、 また老夫婦のことを思い出し晩秋の夜に考えました。 私はちゃんと愛せているだろうか。 「自分から」ちゃんと。 そんな事を自分に問うた、今日もまた大事な一日でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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