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ふじよの記録帳

ふじよの記録帳

第三子誕生の話

妊娠発覚

クリスマスを過ぎたあたりからとても胃の調子が悪かった。ケーキ食べ過ぎたかなあ。正月に帰省した時もそんなことを言っていた。1月半ばを過ぎても胃は治るどころかどんどん気持ち悪くなっていく。まさか・・妊娠? ありえないよ。だって、娘を産んでからまだ生理きてないし。

2月の娘の誕生日で育児短時間勤務が終わり、新しく『切り出し』という仕事を覚えることになっていた。切り出しは病理の知識がかなり必要でやりがいのある仕事。でもホルマリンがきつく、2回も妊婦をしていたわたしには今まで機会がなかった。後輩達がどんどん切り出しを覚えていくなか、わたしは年ばかりくって役立たず。やっと挽回の時が来ていたのに。テーブルの上に胃薬と妊娠検査薬を並べどっちにするか悩む。

 妊娠と認めたくない。ここで胃薬を飲んでごまかし、そのまま切り出しをするか? でももし妊娠していてお腹の子になにかあったら? それは私の責任。母親失格だ。妊娠検査薬をもってトイレへ。見事に陽性。ああ、社長になんて言おう。旦那様に言うとニヤッとした。

 産婦人科で妊娠が確定した後、社長に報告に行く。産んだ後はもう復帰できないことも。ちょうど3月末でひとりリストラされることになっていた厳しい現状。切り出しも出来ない、染色も出来ない(キシレンを使うので)役立たずの妊婦もリストラに違いない。でも社長はほっぺをプルプルさせて首を振り、「役立たずなんてそんなことはない。ぎりぎりまで働いてください。」とおっしゃった。「すみません、すみません」と何度も謝るわたしに「考えられなかったことではないので謝ることではない。おめでとう。」とうれしい言葉を下さった。

母子手帳をもらう

 有給を取って区役所へ。質問表には『今の気持ち』なんて項目があり、-うれしい-のほかに思わず -予定外-にも丸をつけてしまう。母子手帳は娘と同じ。ちょっとつまらん。

 そしてわたしはずうずうしくもすべての有給休暇(36日あった)と夏のボーナスと、みんなからコーチの赤いバッグをいただいて、7月末で退職した。

 出産までは少し貧血で鉄剤を飲んだだけで順調に。臨月に入ると恥骨が痛くて毎日のように「今日産むう~」と言っていた。


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