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第一章 石と土の悲劇
1週間前のことだ。アトリエにいたとき、じいさん、ばあさん、姪、娘、息子が出かけると言った。私は近所に野菜を買いに行くのだと思ったのだが、待てど暮らせど帰ってこない。やっと戻ってきたときには、台車の中に楕円形のきれいな石が大小置かれていた。今度は私も加わって、庭にその形のいい石を置くという作業が始まった。 昨日、大雨が降った。隣の家から水が流れてきて、我が敷地にどんどん入ってくる。 ばあさん「あそこに植えたほうれん草がダメになる。土で固めないと」 姪「この間、石を取ってきたところに土があったよね」 じいさん「不行。有人」 はっ?私は決して聞き逃さなかった。「不行。有人」(ダメだ。人がいる)。この人たちが相当ヤバいことをしていることを私は昨日初めて知った。 第二章 目薬の悲劇 息子が「目が痒い」と言うので、目薬を差すことにした。目薬を手にして、それと同時にティッシュも1枚持つよね。息子に持たせようとしたら、ばあさんが 「待ったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」 息子に言う。「ティッシュは要らない!目薬を差したら下を向けばいいの」。中国は土足だからね。水が床にたれようがお構いなし。それにティッシュの無駄使いはよくないと。 第三章 洗濯機の悲劇 トイレが水浸しでびっくりした。アトリエはトイレに洗濯機があるんだけど、ばあさんったら、その排水を大きなたらいで受けて、再利用しようとした。が、水が多すぎで溢れた模様。節約精神はいいけど、洪水は勘弁してほしい。 第四章 着古しの悲劇 ばあさんもじいさんも洗濯を100万回くらいしていそうな、ボロボロのランニングを着ている。ばあさんのその白がちょっとグレーになったみたいなシャツに英語の文字が見えた。「ELLE」。はっ?3秒かかって思い出した。それは本物だ。だって私の服だったから。それ、8年位前に捨てたと思うんだけど。今では伸びに伸びて、生地が以前の2倍くらい拡大されている。だって私にぴったりのを着たら、チビTになっちまうよ、ばあさん。 ばあさんが言う。「おまえが帰国するなら、おまえのお父さん、お母さんに何が買わなきゃねえ。洋服買ったって気に入らないかもしれないから、洋服は辞めたほうがいいね。私だって新しいのより、あんたの着古したのがいいね」と。着古しにも限度があることをいつかわかってほしい。 第五章 トウモロコシの悲劇 ご飯を炊くとき、お米の上にトウモロコシを乗せやがった。「トウモロコシを水でゆでるとおいしいところが逃げちゃうからね」って。あのー、ご飯がトウモロコシ味になっちゃうんですけど。ご飯が炊き上がって、ばあさんがトウモロコシを取り出した。私がご飯をよそう。トウモロコシのヒゲがたくさんついていたから取って捨てようとすると 「待ったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」 「胡須有栄養。中医説的」(ヒゲは栄養があるんだよ。中国医学でそういうの)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月08日 13時18分32秒
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