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よろず屋の猫

『ロマンスのR』 スー・グラフトン

『ロマンスのR』 スー・グラフトン著。

刑務所から出所する一人娘を迎えに言って欲しいとの、大富豪の依頼を簡単に済むと思っていたキンジー。
ところがその娘、リーバーはとんでもない事件に絡んでいた。
一方キンジーには魅力的な男性が・・・。
サンタテレサの女探偵キンジー・ミルホーンのアルファベットシリーズ。
原題:“R”is for Ricochet

『ロマンスのR』

これが本当にキンジー・ミルホーン?。
恋に突っ走ってますよ、あのキンジーが。恋人に会いに行くシーンなんて本当にびっくりの連続。
キンジーって恋に関してはオクテかと思ってたんですけど・・・。

内容ですが、リーバーってのがとんでもない女性で、キンジーが振り回される。
でも恋するキンジーが洋服を買う時にアドバイスしたりと、女性の友人の登場があまりないシリーズですが、何となく良い関係を築いていきます。
もうとにかくリーバーっておバカ、と思っていると最後にどんでん返し、やってくれます、あぁー、すっきり(笑。
ラストの片付け方も今までとはちょーっと違って、面白い。

このシリーズは現実の時間の流れに合わせていません。
なのでキンジーが生きてるのは、携帯電話もない時代なのです。
その為、作中の時間が何年であるかの描写が、ところどころ出てきます。
ですが、キンジーの意識は、現代の女性のそれだと感じました。
偶然ですが、恋人の存在が自分にとってどうであるかが一番楽で居心地良いかの心情描写が、現実の時間を生きている先に書いた『殺意』のアレックスと非常に似ていました。
まさに仕事を持つ独身女性のそれで、しかしキンジーの生きてる時代には余り見られなかったものだと思います。


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