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よろず屋の猫

天使が震える夜明け P・J・トレイシー著

2004年のアンソニー賞、バリー賞、ガムシュー賞の最優秀新人長編賞を受賞した母娘によるミステリー。



ウィスコンシンの田舎町で、教会で老夫婦の惨殺死体が発見される。
彼らの周辺を調べるうちに、何かにとても怯え、各地を転々としていたことが分かる。

一方、ミネアポリスでジョギング中の男の死体が発見される。
これがPCのゲームを模した連続殺人の始まりだった。

全く関係のないように見える二つの事件が、やがてある一点から繋がり、両方の捜査陣が協力して事件解決を目指す。



えっと、面白かったんですよ。
好きなタイプのミステリーではありませんが、読み出したら最後まで読ませます。
二つの事件が中途から繋がって、ラストに向かっていくところはどんどん先を読みたくなりました。

そのことを前提にしたうえで・・・。

ロマンス作家がミステリー書くと、サイコ、猟奇殺人を扱うのが多いなぁ。
犯人の人物像も、書き足りてない感があるから、何故わざわざそう言う人にしたんだろう?、と言う気がする。
なのであざとさが目立つ。

調べるのが大変な事柄を、電話一本でハッカーに依頼、すぐ分かっちゃったわ、と言うのもご都合良すぎやしませんか?。

全体にてんこ盛りにしすぎて、消化しきれてない感がある。

ウィスコンシン側のハローラン保安官は初期の頃に部下をミスで失うが、それに対するローランの心情も書ききれてない。

何よりミネアポリス側のマゴッツィ刑事以外の登場人物が影が薄くなってしまって、もったいないなぁと思った。
それぞれの相棒役のボナー、ジーノが最後までどっちがどっち?、と言う感じでした。

一方、女性の登場人物は魅力的なんですね。
ゲームを開発している“モンキーレンチ”のグレース、そしてハローランの部下のシャロン。
どちらも読んでいて惹き付けられる女性です。

両サイドにロマンスがあり、その辺はお手の物といった感じ。


受賞作なので、読む前に私が期待をかけすぎてしまったのかもしれない。


シリーズ化するとしたらどちらのサイドだろうと思っていましたが、マゴッツィの方で四作出ているそうです。
私は優秀なシャロンがいるウィスコンシン側の方が面白そうだなぁと思うけど、田舎町でそうそう大事件を起こすわけにも行かないか。

それにロマンスを重要視するなら、やっぱりマゴッツィとグレースの側でしょうね。


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