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と魚のよろず帖

千本ゑんま堂大念佛狂言

二〇〇三年五月三日(祝)

~「千本ゑんま堂狂言」~


毎年、五月一日から四日まで、千本鞍馬口下ル閻魔前町にあります「引接寺」(いんじょうじ)で行われる、三大念佛狂言のひとつです。市バスでは“乾隆校前”で下車です。一日・二日は夜七時から、三日・四日は昼一時からと夜六時からの二回公演となります。

昼間は行ってないのでわかりませんが、雰囲気をより楽しむならば夜ではないでしょうか。日が沈んで暗くなっていく感じとか、舞台がライトで浮かびあがって、綺麗です。
演目はもともと五十ほどあったようですが、今、紹介されているのが二十ほどなので、毎年この中からはじめ(閻魔庁)と〆(千人切り)の決まった演目以外は選んで、公演されてるのではないかと思います。ほとんどが台詞のある有声劇で、ほかの念佛狂言はお囃子にあわせた無言劇なので、他には見られない特徴だそうです。
わたしが今回見た演目は、一、二人大名 二、芋汁 三、雷 四、にせ地蔵 五、鬼の念佛 の五つでした。
演目と演目の間に流れます♪カンデンデン♪というお囃子がなんとも素朴で心地よいですよ。無言劇の時には小さなこどもが笛でお囃子に入っていました。

こちらの狂言がこじんまりした感じなのは、たぶん、一旦途切れてしまっていたことと、1974年に舞台と衣装が火事にあってしまった為もあると思います。そのときに焼けずに残った狂言面が、「千人切り」以外のすべての演目で、すべての演者がつけて舞台へと出るのです。今、狂言に使われている舞台も簡単なしつらえではあります。しかしながら、保存会の皆さんの力で、現在のかたちまで復興させ、毎年公演を行って居られることは、とても貴重なことだと思います。

京都の大通りのひとつ千本通り沿いにあるので、わかりやすい場所で、しかももひとつよいのは、京都であるこういった祭事にありがちな、人・人・人という状況になっていないところで、近所のお祭りに出かける感覚で、気軽に出かけられる感じがとってもいいのです。
なんとなくひなびた感じで、素朴で面白い演目の狂言をゆっくり楽しめますよ。

千本通りは京都の下町といった風情のあるところで、千本ゑんま堂周辺は西陣界隈でもあるので、千本通りからちょっと細い通りに入れば京都らしい街並みも楽しめる処でもあります。
千本の商店街も昔ながらのお店が残っていますので、普段着な京都の街を見てみたい方にはお薦めのところでもあります。

夜は早終いのところなので、夜の部を見た後で何処かお店に入りたい場合は、きちんと下調べをしておきましょう。9時ごろに終わりますので、お店を探してるとすぐにどっちつかずの時間になっちゃいますよ。

ゑんま堂と狂言の歴史や演目に関する詳しいことは、保存会のHPを紹介してますので、其方でご覧になって下さい。

こちらから公式ホームページにいけますので、演目の解説などはこちらでごらん下さい。
「千本ゑんま堂狂言」

mokuji


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