下流とは意識の問題
《下流社会 三浦展著 2005年9月》20世紀は「一億総中流社会」と呼ばれ、日本全体で一握りの人たちを除けばみんな「ふつう」でした。最近は、「格差社会」ということがメディアでも多く取り上げられています。正社員になりたくても企業側の受け入れがなく、厳しい生活をしいられてる人や、自営業者が定年を向かえ少ない年金で苦労している人など「所得」の格差が目立ちます。その中で所得の比較だけでない「下流」という新たな階層が生まれました。「所得」が下流のではなく、「希望」が下流だと著者は述べています。『所得は決して高くないが自分らしく生きてるし、このままでもいいや』という人は「下流」と定義されます。「下流」とは意識の問題です。この本の中の定義によれば私は「真性団塊ジュニア世代」。この世代はバブルを学生として経験しているため、消費することに対してストッパーがないらしいです。親のすねをかじり、買いたいものをかって育ってきているので、挫折に弱い。それ故、意識が「下」になりやすいとのこと。個人的には人を「上中下」とランクわけするのは好きではないが、この本を見ると「なるほど」と思うことがたくさんあります。「下流」になるメカニズムもわりとわかりやすく書いてありますが、データに基づいた分析を行いながら定義づけをしているので、数字の苦手な人には多少読みにくいと思います。本のはじめに「下流度チェック」があります。チェックの結果私はなんとかセーフみたいです。現実を客観視しており、危機感を持たしてくれる一冊です。☆ 格差社会☆ 自分らしさを考えなおすお薦め度:★★★★☆+意識の問題マインドマップ今回はなしで。つぶやき「ドラゴン桜」という漫画がヒットしています。ダメな高校生を弁護士である主人公が東大へ合格させるという漫画です。これにより、「下流」からの脱出傾向が強まるのでは?と著者は述べています。しかし、これから少子化を向かえ、「東大」がいつまでステータスになりえるのか?と思います。