「けしいん」と「ウロストミー」のブログ

2010/07/29(木)00:17

尿膜管癌

医学(73)

泌尿器科で治療する癌の中に「尿膜管癌」と言うのが有る。 「尿膜管」と言うのは、胎児の時にへその緒の中を通って、膀胱からの排泄物を母体へ送るための管で、普通は、生まれると必要が無くなるので、萎んで管が塞がり一条の索状となる。 しかし時には管が塞がらず、管状の侭で残る事が有り、それが癌に変化する場合が有る。 発症率は膀胱癌などに比較すると少なく、日本では毎年約50名が新たに診断される程度だ。 治療法としては開腹して、臍から膀胱頂部までの尿膜管と膀胱の一部を摘出する事になる。時には腹壁までを合併切除する時も有る。無論「臍」も取ってしまい、蛙の様な「臍なし」になる訳だ。 この「尿膜管癌」。予後が非常に悪く、或る文献によると9例のうち生存している症例は僅か2例。残りの7例は何れも癌が再発して死亡している。 しかし他の或る文献では、膀胱部分切除で無く、膀胱全摘をした場合は生存率が良い、と記載されていた。 膀胱癌の様に膀胱全摘・尿路変更をして長生きするか、尿路変更せずに再発の危機に怯えるか、どちらが良いだろうか。 参加中、ポチツと押してね コメントも宜しく。

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