ふとした英語のギモン~hisselfは本当にいけないのか?~
今日は「再帰代名詞」の講義をする。(もちろん,再帰代名詞だけで1回の授業というわけではないけど)再帰代名詞とは,~selfのこと。といってしまえば,それで終わりだが,これはこれで,1つのポイントとして扱える分野だ。基本ルールから,応用。そして,慣用表現まであるから,やっぱり立派な一つのポイントになる。で,これまであまり考えなかったけど,ふと思ったこと。myselfやyourselfは所有格をmy-/your-と,所有格+selfなのに,なぜ,himselfやthemselvesは目的格なんだろう。ちなみに,herselfのherは,所有格・目的格どっち?まず,簡単な法則性は,1・2人称の場合は,所有格+self(myself/yourself/ourselves)3人称の場合は,目的格+self(himself/herself/themselves)これが基本。そう,このルールからすればherselfのherは目的格だったんだね。しかし,何でだろうね?この現象。少し調べてみた。もともと歴史的には,目的格+selfが基本だったらしい。それが変化した。例えば,me selfは,音韻上の理由でmyselfになったらしい。しかし,実際にはhisselfを正しいとする用法も確認されていて,アフリカ系アメリカ人の中では,hisself等が方言として存在するらしい。言葉に絶対的ルールは無いのかもしれない。