こころに映るよしなしごと

　ギターを弾きはじめたころはよく覚えているが、ギターで曲を作り始めた頃はよく思い出せない。五線譜が大の苦手で、ＴＡB譜があるので何とか弾けるという程度なので、適当にカセットテープレコーダーで録音したりしていたのか。

　かの井上陽水のいにしえの大ヒット曲「心もよう」の中に「じゅうくになったお祝いに作った歌も忘れたのにい～」というのがある。19歳になる前に聞いて、「19歳の誕生日に記念の歌を作るぞ」と心ひそかに決意したものだった。しかし、19歳のころなんて、人生がものすごく目まぐるしく転回する時なので、のんびり曲を作るなんて状況ではなかった。

　つまりは、１９になったお祝いにうたなんかつくらないんじゃないかな、これはきっと非常にシビアなメタファーなのかも知れない。だけど、２５になったお祝いとか、３３になった記念とかという発想はない。やはり１９なのかな。グレープにも「19歳」という歌があるし。

　今はそういったメモリアルとは無関係に、ＭＴRのエフェクターをいじって、クラプトンぽいようなまったく違うような「wonderful tonight」なんかを弾いているわけである。