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盛岡市には10年以上前に住んでいたことがあった。
城下町らしい家並みが続く通りや、郷愁を誘う、盛岡市役所裏の中津川沿いや、まるで顔を掴まれたかのように痛いマイナス12℃の気温や、ゆったりと流れる北上川の水面と岩手山から吹いてくる風のような街の人が話すことばの抑揚が、感触を伴った記憶として、深く残っている。 秋田から転勤した女性と偶然にも再会する。 なぜかひっそりとした料亭のような古い旅館のような大正時代の待合のような店の襖と障子戸で囲まれた小部屋で晩飯を食べる。 懐かしく、そして少し切なく、聴くことができなかった三月のチャーリー・パーカーのブロウが、彼女の胸元からの微かな幻聴のブレスとして、耳元に流れる。 日本酒で暖まることもなく、階段を降りる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.02 11:21:42
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