図書館の背表紙とレンタルレコード店のジャケットとの出会い
気がつけば、書店にもレコード店(今はなんと言うのか、CDショップか)にとんとご無沙汰している。つまり、新刊も新譜も暫く買っていないということのようだ。書店でもレコード店でも図書館でもレンタルレコード店でも、大昔の路地裏にあった貸本屋でも、その背表紙(レコードジャケット)を眺めて、作られたその世界を想像し、買ったり借りたりしていたものだ。そんな「ジャケ借り」のように、図書館で「半島」というタイトルの本を借りて読んだ。不思議なトーンで不思議な世界が展開していく。その背景には、音の無い静かに降る雨の匂いがする。すべてがすべてではないが、たまに、タイトルとジャケットと「何かの匂い」で、個人的「好物」を見つける時がある。何もすべてが、内包するものをあからさまに標榜しているとは限らないのだ。