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ハウシュヴィッツ収容所からこんにちは

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YOSHI_10

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2003.09.19
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 今から語られる話は残虐物語とタイトルにあるように残虐な話である。だからしてそういうのが嫌いな人は読むのをご遠慮願いたい。しかもちょっと長い。めんどい人や、力尽きた人は読むに値しない文章であることを約束する。それでは。

 子供の頃、カラっと晴れた午後の日、僕は家の庭先で一人で遊んでいた。バケツに水を汲み、土や砂のまじった所にバシャーと水をかけた。あとはちょうど良いおにぎり大の量をつかみ、まるめて土だんごを作って喜んでいた。自分でいうのもなんだが、非常に微笑ましい光景だっただろう。傍から見ればその光景はすごくかわいかったにちがいない。ただそこは柵がってものすごい日陰で、せまくて誰からもみられないような場所だったから、その土遊びをしている僕を見た人はいなかっただろう。残念。しかし一人暗いとこで土だんごを作って喜んでる少年って・・・やっぱり見られなくて良かったと心底思った。
 大きくなってから、土だんごが小さいながらも、ボーリングの玉のように、硬く綺麗に作れることをテレビで知って、驚いたものだった。

 土だんごも何個か作ると飽きてくる。こんなぐちゃぐちゃな玉を作って、喜んでるんだから今思えばまったくわけがわからない。子供の心をなくしてしまったのだろうか。というか健康な心さえなくしてしまった・・・。あの頃はたぶん、いかにまん丸にしてうまそうに作るか、熱中していたのだろう。でもいまいちうまくいかず、ぐちゃぐちゃの塊を数個作って僕は土だんご作りをやめた。とりあえずもう土だんごは作らないけれど、またバケツに水を汲みに行くことにした。蛇口をひねって水を勢いよく出す。急激に増える水はバケツの重さを増し、か細く小さい手には辛かった。急いで蛇口を緩め閉める。ふーと一息、しりもちをついた。

 休んでいると、アリの行列が目に入った。すごい行列が土の脇をせかせかと通って、先にある小さな穴に入っていく。これは面白そうだと直感した。その先に何があるか掘り返してみよう。さっそくほうりなげてあった、スコップを手にとると意気揚々穴にザクッと刺した。アリはまるで宇宙人のビームを受けた地球人のように、「きゃ~~」「あ~~~」叫びながらばらばらに逃げた。(若干嘘ついた。アリは叫ばない)あはは。面白いじゃないか、この遊びは。次から次へと穴を襲撃していった。同時に逃げたアリをつぶさないように、そっと十匹ぐらいつまんで捕獲した。

 アリの巣襲撃遊びも一通り終わると、次は捕まえたアリで遊ぶことにした。さてこのアリ達とどうやって遊ぼうか。にやり。僕は当時小学生ぐらいで、泳げなかった。アリは泳げるのかどうか?試してみようとバケツにためた水にアリ共を放り込んだ。
 アリは沈みはしなかった。水の表面張力のせいだろうか?アリが不器用にも沈まず泳いで脱出しようとしている。なんとなく面白くなかった。だからちょっとつついてやった。そしたら沈んだので面白かった。アリも僕と一緒で泳げないよね?そうだよね!?あははあははははははは。良かった。

 そんなことを何回もやっていると、しだいにアリの動きがにぶくなり、ついには動かなくなるアリ達もでてきた。僕はなんだか可哀想になり、アリ達を救出した。かっこいい俺。頼りがいのある男。僕はアリ達を助けたヒーローになった(笑)しかし相当弱っていたのか水からだしても、動かないアリがいた。急遽葉っぱのベットを作り、そこに寝かした。水が乾くようにお日様にいっぱいあててみた。けれど一向に回復の兆しは見せなかった。壊すのは簡単だったけれど、直すのは難しかった。僕はアリが死んだから悲しいように感じたけれど、今覚えば、自分の万能感が満たされなくて悲しかったんだろう。

 時はあっという間に経ち。22歳になった。ついでになぜか今ひきこもりになっている。あのころ日陰で一人土だんごなんか作っていたせいだ。たぶん。
 今ではすっかり更生して(ひきこもりだけど)無駄な虫殺しなどしない。庭にでれば(ひきこもりだからあまりでないが)アリやだんご虫を目で確認してさけて通るし(目はかなり悪いけど)、蜘蛛が部屋のなかにいても僕は殺さない。(変わりに母とかがつぶす)まったく更生している。つぶされた虫に同情さえする。みんなも想像してみようじゃないか。ゴキブリは丸く硬くしたチラシで何回も叩かれたり、蚊や蜘蛛はぐちゃっと潰される。これが自分だったらどうか?ということを。まったく嫌な死に方だろう。自分がしてもらいたくないことは、人(虫)にもしてはいけない。

 こんなことを思うのも、僕は人間としての価値がなくて、虫なみの価値ぐらいしかないんじゃないか?と嘆いてるからかもしれない。だからあっけなく潰される虫に同情さえするのだ。僕だってそう嘆けば、すごいたくさんの人がそうじゃないよ。キミは生きているだけですごい価値があるよとか、虫よりはあるよとか(うるせい)言ってくれるだろう。訂正。ものすごぐ限られた人が言ってくれるだろう。でも僕はやっぱり虫に同情せずにはいられない。

 長々と残虐物語を書いてると、なんか腕が二箇所ほど痒い。みてみるとぷくっと膨らんでいる。蚊だ。蚊に刺された!ふと机をみると蚊が止まっているじゃないか。(ご都合主義だぜ)僕はティッシュをすばやくとり、蚊めがけて一気に押し付けた。蚊を捕らえたのを確認すると、グシャと力いっぱい潰した。





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Last updated  2003.09.20 00:19:22


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