2011/08/23(火)21:36
ボランティア
陸前高田の、とある町。
新宿を23時に出て、あちこちで休憩しながら陸前高田のVCに到着したのが、7:40頃。
ここからさらに1時間弱バスで移動して現地へ。
いや、遠いわぁ。
半島のようになったこの地域は左右から津波の被害を受け孤立。
住人の方々は救助に時間が掛かると覚悟し、自分らで食料の確保や復興の為の片付けを始めた。
以後もボランティアなどに頼らず自分達だけで着々と復興してきたという。
すごい。話を聞いただけで頭が下がる。
その地区の方々が、漸くボランティアの受け入れを始めてくださり、ボツボツ手伝いに行かれるようになった。
そんな場所で。
草むしりと片付けのお手伝いをさせていただくことになりました。
あいにく小雨が大雨に変わり、時々激しく降る中、レインコートを着てマスク着用での作業はやりにくいことこの上ない。
震災から5ヶ月たち、雑草も手ごわい。
でもね。
抜いても抜いても虫がいない。
ミミズどころか団子虫もいない。
凄い根っこを引き抜いて土がガッツリ削れたところに、砂…?
あ。海岸だから。
ってことは、この雑草が生えてる土は…津波が運んだ泥なの?
後はすぐ海。
堤防が2重になって、漁港ではないようだけど。
穏やかな、海。
海鳥が波に遊び、雨が凄いのに穏やかな、海。
海辺の小高い岡には松の木があり、どうやらカミサマが祀られていたようです。
その松の木は上半分が折れてたり枯れてたり。
カミサマらしき石の像はあるけれど、祠や鳥居はなし。
階段の残骸と石垣らしきものの残骸。
雨のせいか気温が低く、あの猛暑を思えばラクです。
そのせいか、覚悟していた悪臭もハエもいない。
雨の音と、雑草を抜く音、片付けの音しか聞こえない。
ここで約3時間作業。
最初の話だと酷暑の為、作業は14時まで。
30分作業したら10分休憩をとるくらい、こまめに水分補給と休憩を。
との、ことだったんだけど。
気温も低かったのでほとんど休憩ナシでもくもくと作業。
お昼をはさんでさらに作業を続けたが、雨が酷くなり雷が鳴り始め稲妻が走る。
うむむ。これはヤバイ。
凄い音の雷が鳴り、一面が光る。
そんなことが数回繰り返した後、作業は中止となり、撤収。
なんとも中途半端なことに。
海辺の田圃らしき場所だったので、付近に家はありません。
坂の上のほうに集落がありそちらは住人の方々がいらっしゃるようでしたが、一切接触はありませんでした。
それはそれでよかったかな。
お逢いできてもどんな顔して良いのかわからないものね。
しょんぼりと撤収するバスの中から見た街は。
街とは呼べない状況でした…。
降りしきる雨の隙間から食い入るように見た景色は…。
TVでよく見た景色で、覚悟はしていた。
それでも…。
キツイ。
持ってて役に立ったもの。
ツナギ
タオル(汗拭き用・シートに敷く用)
手ぬぐい
安全中敷と長靴
ゴム手袋
汗拭きシート
レインコート
虫除け
虫刺されの薬
日焼け止め
水(冷蔵・冷凍)
スポーツドリンク(冷蔵・冷凍)
保冷バック
スリッパ(バス用)
ビニール袋
マスク
ゴーグル
スマホ♪
バスで隣に座ったヒトとか、宿で同じ部屋だったヒトとか、ちょこちょこ会話を交わしたヒトとか沢山の人と会話した。
日常を全く離れた不思議な体験だったけど、これが「日常」になってる方々のことを心から想った。
自分に出来ることの少なさにがっかりしたけど、それらの小さな力の継続がやっぱり何かの力になると思った。
そしてまだまだ必要なんだ「ヒトの手」が。
草むしりなんか重機でガッツリやってしまえばいい。と思ってた。
でもね。その「雑草」のなかに「いるかもしれない」んだって。
大切な大切なヒトが。
行方不明の方はまだまだ沢山いる。
もう5ヶ月。まだ5ヶ月。
そんなこと思ったら「重機」どころか「鎌」を突き立てるのもためらわれる。
やっぱり「ヒトの手」で探しながら雑草を抜き、土地を片付けるのがいいのだ。
気の遠くなるような作業を、今日も、明日もあさってもずっとずっと続けていくのだ。
みんなで。
「ヒトノテ」で。
続けよう。
持ち続けよう。このキモチを。