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2026年02月20日
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カテゴリ:本にまあ
「電通マンぼろぼろ日記」(福永耕太郎著、三五館シンシャ発行)を読みました。
三五館シンシャのいわゆる「日記シリーズ」は気軽に読めて、いろいろな職業の内情が分かるのでよく読んでいます。もう10冊以上読みました。それぞれの職業には私たち部外者には知ることのできない苦労やまたやりがいがあるのだなと感じさせることが多く、読んでいてその職業に就いている人に親近感を覚えることがよくあります。

しかし、今回は一切そういった親近感は沸きませんでした。読んでいて嫌悪感すら覚えました。

広告代理店という職業の特性なのかもしれませんし、時代はバブルということもあったのでしょうが、自殺者を出すほどの「24時間働けますか」の世界の異常な労働慣行。「接待費」や「必要経費」という名の湯水のように使われるけた違いの金額。「高級レストラン」や「高級料亭」、風俗やゴルフの接待、大会社や代議士の子息のコネ入社などが当たり前の、庶民感覚からかけ離れた実態。

筆者自身もその世界にどっぷりとつかり、自己の功績を誇らしげに語っている節があります。

タイトルの「ぼろぼろ」は業界やそこで働く人がぼろぼろというよりも筆者が晩年に酒におぼれて依存症を患い、そこから生活が崩れていった、そのことを表す言葉でしょう。「日記シリーズ」の他の本では、業界が部外者にはなかなか見えにくい様々な負の側面を持ち合わせているという話が主ですが、本書では業界内部の特殊性を否定するような暴露話はあまり出てきません。

消費者金融を描いた「日記」​の筆者と同様、いっときの栄華を手にした者が閑職に回されると落ちていくのも早いようです。

アルコール依存になり、カード破産も経験した筆者は、日本で最高レベルの給料をもらっていた職業を早期退職し、直後には妻から離婚を言い渡されて財産や家族をみな失ってしまいます。還暦手前ですべてを失ってしまった筆者は再就職も難しく、年金を繰り上げ受給してほそぼそと暮らしながら本書の執筆に至ります。最終章ではしばらく会っていなかった三男と再会した話が出てきます。

奨学金の返済がまだ残っていると聞いた彼の「本書の印税は真っ先に彼に渡すつもり」という言葉が哀れを誘いました。





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最終更新日  2026年02月20日 10時41分25秒
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