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2026年05月17日
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カテゴリ:本にまあ
「素人校長ばたばた日記」(川田公長著、三五館シンシャ発行)を読みました。
三五館シンシャの日記シリーズは様々な職業の内実が分かり、かつ著者の人生が味わえる好著が多く、よく読んでいます。

これまで読んだ十数冊の日記シリーズの中で最もさわやかな読後感を持ったのが本書でした。他の本は、どうしてもその仕事のイヤなところや理不尽な部分など、ネガティブな要素が多く描かれるものですが、本書にはそういうエピソードがまれで、出てくる話ひとつひとつに著者に共感できる部分が多く、読みながら著者を応援していました。

県庁職員を長年務めていた教員経験はもちろん、教員免許もない一般職員の著者が、県立高校で2年間校長を務めた話です。

私の読後の結論は、彼が校長になったのは大成功だったのではないかということ。人事担当者は彼の人物の特性を見抜いて彼ならやれるとの期待があったからこそ、本人をはじめほとんどの人が予測もしなかった彼の転身があったのでしょう。彼の校長職は2年という短いもので、最後まである意味「部外者」的な視点はあったかもしれませんが、それゆえ同じ「部外者」の私たち読者にも校内の様子がよく伝わりました。

同じ組織にずっといることで見えなくなってしまうことが、部外者や半部外者にはよく見えます。

高校にはいいところもおかしなところも、いっぱいある。校長ではありますが半部外者の彼の立場から語るとそうした側面がよく見えてきます。おかしなところの一つは例えば一般にブラック校則と呼ばれている部分。彼の学校にもそういったものがたくさんあります。それを半部外者の著者が変えていくところや、新しい学校行事を作って学校を盛り上げていくところなど、読者にとって痛快な話がいろいろ出てきます。

こうした経験を経て著者は教職の魅力に目覚め、校長職を辞したあと教員免許をとりたいとすら考えるようになりました。

このことは2年間の経験が有意義で、教員という職業が彼にとって魅力的だったということを示しています。実際は年齢のこともありそれは断念しますが、校長としての経験は彼の人生に大きく影響を及ぼしました。彼は60歳で県庁を退職した後社会福祉士の資格を取り、発達障害を抱えた成年の「保佐人」となって、日常生活の世話をする仕事をするようになります。希望とは少し違う方向にはなりましたが、「2年間の異世界生活」(p.205)が彼に合っていたのは間違いないようです。

彼を校長職に抜擢した人事担当者の卓見にあらためて拍手を送りたくなりました。





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最終更新日  2026年05月17日 12時47分32秒
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