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カテゴリ:本にまあ
「メーター検針員テゲテゲ日記」(川島徹著、三五館シンシャ発行)を読みました。
![]() 三五館シンシャから20冊ほど出ているこの職業日記シリーズは、そのうちの半数以上をこれまでに読みました。外部からはわからないそれぞれの仕事の内幕がわかるだけでなく、実際その職に就いていた著者の人生が垣間見られるのが魅力でもあります。公務員などを除いて、このシリーズの著者は最初からではなく途中からその仕事に従事するパターンが多いように思います。 本書の著者、川島さんもそんな途中入社をした一人。 年収850万円の東京の外資系企業に勤めていた彼ですが、若いときから文筆業になるのが夢だったこともあり、あるとき文筆業を兼ねるには多忙すぎると職をすっぱり辞めてしまいます。検針員になって月に10日ほど働きさえすれば、あとは自由に好きな執筆ができると考え故郷の鹿児島にUターンし、検針員として雇用されました。 検針員を最近はあまり見ません。かつてはオペラグラスのようなものでメーターを除いたりしているのを見たものでした。 それもそのはず。メーターが進化し、以前は手書きだった連絡票がプリントアウトになり、さらに手渡しの連絡票もなくなるといった形で技術が進んでいるようなのです。そのため本の帯にもある通り「あと数年でなくなる仕事」なのだそうです。検針員が各戸をまわって人の目で使用電気量を確認しなくてもデータが各戸のスマートメータから電力会社に自動的に送られるようになってきているとか。 他の仕事同様、外回り中心の検針員は暑い日、寒い日、犬にほえられ、泥棒と間違えられ、苦労してきました。 ただ、実際にその仕事ぶりを見かけていたこともあったからか、これまで日記シリーズで読んできた様々な仕事と比べると、ここに書かれた検針員の仕事はそれほど予想からは外れていませんでした。外勤中心の検針員の大変さはそのようなものだろうなと思っていたのです。ただそこに描かれていたのは業務そのものより電力会社という大企業の下請けの検針会社の、さらにそこにパートとして雇われたパート従業員の悲哀でした。 検針員の実態を考えてくれていない上から押し付けられる理不尽な要求、威圧的な上司との軋轢など。 不当なことにもできるだけ我慢して耐えながらも言うべきところでは物を言う著者。でもそれが原因で上司ににらまれた彼は定年より5年早く雇用契約を切られてしまいます。その後は年金を受給しながら介護職などを転々としますが、ひょんなことから自分が書いた本を出版するという長年の夢が、本書の出版によってかなったのは幸いでした。 今度、電気や水道、ガスのメーター検針員を見かけたら「ご苦労様です」と声をかけようかな。あんまり見ないけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026年08月15日 13時01分18秒
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