国内にもう1拠点あるといい
私は奈良と沖縄の2拠点生活をしています。毎月1~2度ずつ行ったり来たり。ある人に「災害が起きたとき、ヨッサンみたいなのが一番いいのかも」と言われました。地震や台風などで被害を受けても被害のないもう1拠点に移動すれば普通の生活ができるからです。たしかに奈良と沖縄だと同時に災害に遭遇する確率はほとんどないでしょう。1カ所が被災しても、もう一カ所に移動すれば通常通りの生活ができます。熊本地震から十日あまり。断水している地域はまだたくさんあり、避難所で暮らす避難民も多くいます。以前から考えていたことですが、姉妹都市制度を拡大して全国の自治体がそれぞれ相互扶助姉妹都市をもつことはできないでしょうか。同時に災害を受ける可能性の低い、ある程度離れた地域に姉妹都市を持つのです。日ごろから交流を深め、一方が大きな災害に遭ったとき、もう一方が避難先として受け入れるようにしておく。現在、自宅に住めなくなった被災者は自分の市町村の中に作られた避難所に避難するのが原則です。しかし避難所自体が被災していることも多く、避難所として十分機能していないように見えます。今回も最初の数日は停電のためエアコンが使えなかったりトイレが十分でない避難所がありました。車中避難をしたり、倒壊する危険を顧みず崩れかけた家や軒先に避難をしたりするケースが多く見られます。そこでは電気、水道、トイレなど問題が多く、睡眠や運動が十分にできず「災害関連死」を引き起こしてしまう原因になります。「相互扶助姉妹都市」があれば、2次災害におびえず姉妹都市に設置された宿泊所で落ち着いた暮らしができます。先日、元大津市長の越直美さんがテレビで「10年前の熊本地震のとき、熊本県大津町という名前を聞いて、同じ名前だと思い、すぐに援助をするよう指示しました」と言っていました。そんなことが特定の地域に援助をするきっかけになることだってあるのです。まして、姉妹都市として提携協定を結び、日ごろから互いに交流を深めていれば避難先としてすぐに名前が浮かびます。被災者は安心して避難生活ができ、受け入れ側も日ごろからなじみのある地域、人たちの援助を喜んでするでしょう。現在も姉妹都市提携をしている自治体の中には相互扶助の考え方が少しずつ出てきているようです。しかし最初から「相互扶助」が目的であると明確にし、かつ全国すべての市町村(ときには区も)が相互扶助姉妹都市を持たなければいけないとしておけば、それぞれの自治体が自発的に行うものとは違い、災害時によりスムーズに被災者の支援ができるのではないでしょうか。政府は公助と自助の間に「共助」を強調しますが、今後はそれらに加えて拡大共助が必要になってくると思います。