カテゴリ:マラソン
本日行われた福岡国際マラソンは、初マラソンのサムエル・ワンジル選手が大会新記録で優勝。日本人1位は、佐藤敦之選手で、北京の切符をほぼ手中にした。
レースは、静かに始まった。珍しく日本人のペースメーカーが付き、1キロ3分ペースで進む。気温は、13.5度で風もない。好記録が期待された。 5キロは、15分04秒で通過。有力選手が集団で過ぎていく。福岡を越えなければ北京はない。激しい戦いが予想されたが、この時点では平和な風景に見えた。 10キロの通過も30分02秒と3分ペースが続く。見事なペースメイキングだ。20人前後の集団が揃って走る。まだ脱落者は現れない。12キロを過ぎて1人遅れ始める。気温が上がったのか、給水場で、頭から水をかける選手が増えている。 15キロも3分ペースは続き45分07秒での通過。気温は、15.3度まで上がり、顔がきつくなる者もいる。18キロを過ぎて、1人2人と遅れる者が現れる。サバイバルレースになるのか? 20キロは、1時間00分12秒、ハーフは、1時間3分05秒とイーブンペースは続く。スピードランナーのワンジルは、ストレスがたまっているように見える。 22キロを過ぎにレースが大きく動いた。何と日本記録保持者の高岡寿成が遅れだしたのだ。大量の汗をかいている。37歳の高岡の顔がゆがむ。北京がどんどん遠くなっていく。ペースが大きく上がったわけではないのだが、集団は半分にぐらいに縮小していった。 25キロの通過は、1時間15分03秒。藤田敦史、油谷繁、佐藤敦之、松宮祐行の招待選手に加え一般参加の高橋謙介がトップ集団に残っている。この中で1番になれば北京の切符は確実になる。誰が残るのか。 最初に脱落したのは、松宮祐行だった。27キロあたりで遅れていく。そして、30キロ手前で、今度は藤田がずるずると落ちていく。ほどなく、油谷と高橋も遅れだす。やはりサバイバルレースになった。 30キロは、1時間30分03秒。先頭集団は、佐藤敦之、ワンジルに加え、エチオピアから一般参加で出場しているメルガの3人となった。 ここまでスピードを封印して我慢に我慢を重ねてきたワンジルが、リミッターを解放したかのように仕掛ける。しかし、佐藤もメルガもしっかりとついて離されない。小競り合いを繰り返したが、少し落ち着く。 しかし、35キロ手前で、またワンジルが仕掛ける。メルガはついたが、佐藤が遅れだす。ワンジルは、ペースを上げる。でもメルガを離せない。どこまでもついてくる。併走が続く。 40キロを過ぎて、またまたワンジルが前に出る。今度はメルガがみるみる離れていく。勝負ありだ。 競技場に戻ってきたワンジルは観客席にガッツポーズを見せた。彼は、現在、トヨタ九州に属している。地元だ。ケニア生まれの日本育ち、初マラソンは、2時間6分39秒の大会新記録での優勝だった。 佐藤敦之は3位でゴール。2時間7分13秒の好タイムで日本人1位となり、北京行きを確実にした。長年の努力がついに実った。おめでとう!と言いたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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