2011年箱根駅伝、勝手に表彰状
今回も、私的に表彰状を送りたい。【MVP】 高野 寛基(早稲田大学)6区・区間2位MVPは、やはり、逆転を演じた高野だろう。途中、転倒というアクシデントに見舞われながらも、すぐに立て直し、並走していた東洋・市川を交わしたのは素晴らしい。高野は、高校時代(佐久長聖)からの有名選手。毎年、箱根の時期になると山登りが噂されていたが実現することはなかった。故障が多く、エントリーに名前はあっても、実際に走ることはなかった。今回、6区にエントリーされた時も、本当に走るのか半信半疑だった。それが期待以上の活躍。大舞台で逆転劇を演じ、優勝への流れを作った【殊勲賞】 村澤 明伸(東海大学)2区・区間賞殊勲賞は、花の2区の区間賞を獲得した村澤としたい。とにかく素晴らしい。特に、1万メートル27分台の記録を持つジョン・マイナに果敢に挑み抜き去った瞬間は、ゾクッとした。また、ベンジャミンをも上回る1時間6分52秒という驚異的なタイムをたたき出した。村澤は、公式のMVPにあたる金栗賞を受賞した。【敢闘賞】 猪俣 英希(早稲田大学)5区・区間9位敢闘賞は、5区で柏原に抜かれたものの、最後まで粘り、最小限のタイム差に抑えた猪俣に送りたい。過去2年、山で柏原に抜かれた選手は、ズルズルと後退し、大きく差をつけられていったが、猪俣は、冷静に対処し、下りの部分でタイム差を縮め、最大1分近くあった差を27秒にとどめた。この走りは、MVPでもおかしくないほどだ。走力では、本来走るはずだった佐々木に及ばないが、もし、佐々木だったら、同じ状況で同じ走りができたかどうかわからない。代役以上の代役だったのかもしれない。【技能賞】 千葉 健太(駒澤大学)6区・区間賞(区間新)箱根駅伝と言えば、2区や5区が注目されるが、最も技術を必要とするのは6区である。そこで、技能賞は、2年連続山下りで区間賞を獲得した千葉健太としたい。10年ぶりの区間記録の更新。素晴らしい。【特別賞】 寺田 夏生(國學院大學)ゴール直前で、コースアウトし、國學院初のシード権を逃がしそうになったものの、すぐさま引き返し、一人抜いて、ぎりぎりシード権を獲得した寺田選手。崖から転落しそうになって、指一本で助かったというスリリングな場面を演出した寺田選手。箱根の珍プレー集に永遠に残るだろう。しかし、もし、あれでシードを失っていたら・・・と考えると恐ろしくなるが・・・。