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よたよたあひる’S HOME PAGE

2007.06.03
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カテゴリ:「道徳」について
夜勤に出る前に、ちょっとだけ書いておきます。

昨夜、「ドラえもん」の最終話が「道徳」の授業で使われている話を書きました。
その後も検索で調べていたら、やっぱり結構授業を受けたことのある人がいるみたいです。
漫画になったものよりは、とろろ丼さんと同じく「文章」の教材の方が多いみたいですね。
中には、授業を受ける前に、ネットやチェーン・メールで元ネタを読んでいた人もいらして、
「いい話でもチェーン・メールを使うのはダメなんじゃない?」と思いつつ、
そ知らぬふりをして授業を受けていたりします(子どもは侮れません)。


現時点で、「TOSSランド」に残っている
「ドラえもん 幻の最終話」を教材にした授業実践で閲覧可能なものは一つだけです。
2007年の1月にUPされたもので、
これは例の漫画を使ったものではなく、
あくまでも原作者ではない人の「オリジナル作品」としてネットにあったものだと、
子ども達に説明した上で、授業を展開しています。

ただ・・・

内容がかなり「トンデモ」に見えるんですよね。
この「ドラえもん 幻の最終話」から、
「努力」と「プラス思考」を子ども達に伝えたいという趣旨の授業なんですが・・
展開がすごすぎ。

教材を読んだあと、
動かなくなったドラえもんをよみがえらせるために、
のび太君が猛勉強してロボット工学の第一級技術者になる・・
その「変化」について、
「努力」と「プラス思考」の大切さを子ども達に説いていくようなんですが・・

「プラス思考をすると、脳の中にベータエンドルヒンという薬ができる。」
「ベータエンドルヒンが出ると健康で長生きする。治らなかった病気が治る。」
「マイナス思考をすると、脳の中にノンアドレナリンという薬ができる。」
「ノンアドレナリンがでると、病気になったり早く死んでしまったりする」
というやりとりをするくだりがあります。


やめてくれ~~!!!



ここで書かれている「ノンアドレナリンというお薬」なるものは、
多分、通常では、「ノルアドレナリン」といわれるものですよね。
もともと交感神経系に作用するホルモンで、
別に「マイナス思考」をするからでてくる「病気の元」というわけじゃないです。
ただ、たしかに、「憂鬱」と関係する作用があり、
かつ、アドレナリンとともに非常に毒性が高い物資ではあるそうなんですけど、
上のやりとりみたいに単純化できるものじゃないです。
人間は、人体はそんなに単純なしくみではない。

多分、これ「ニセ科学」の範疇に入ります。

少なくとも、脳内科学物質の話を過度に単純化して子どもに伝えるというのは大問題です。
もちろん、この実践をなさった先生は、とっても真面目で誠実な方なんだと思います・・
真面目なだけに始末が悪い・・と私は思います。
「子ども達に『努力』の大切さを伝えたい」
「『やる気』をだしてもらいたい」
という趣旨は十分に理解できます。

また、「プラス思考」の大切さって確かにあるのもわかります。
多少の負荷があっても、目標をもっていれば頑張ることができるし、
失敗しても、その失敗を力にすることもできる。

けれども、そのことと、
「プラス思考をすると、ベータエンドルヒンという薬が出来て健康で長生きする」
「マイナス思考をすると、ノンアドレナリンという薬が出来て病気になる」
など、人体の複雑なシステムを単純化して教えるということは違うでしょう。
ましてや、「人体」でなくて、「人間」の生き方を考えていく授業の中で、
この単純化は思考停止をまねくものです。
「伝えたい」「教えたい」「価値」を裏切るものです。
「水からの伝言」もそうだったのですが、
どうも、「道徳」に「科学的知見」なるものが持ち込まれる時に、
なんだかおかしなトンデモ話になってしまうのはなぜなんでしょう。



「TOSSランド」にかつて掲載されていて、今はもう削除されてしまった
「ドラえもん 最終話」を教材に使った授業実践で、
どのような展開があったのかは、すでに私にはわからないのですが、
この残っていた実践報告は、他の実践報告を参考にしながら組み立てたもののようですから、
考え方の共通点はあったのでしょう。

「TOSSランド」自体が、「道徳」の授業実践において、
過度の単純化を良しとする傾向があるのかもしれません。
「わかりやすく」するために??




「TOSSランド」は、基本的にリンクは許可制
(ネットにオープンに出していて、リンク不可というのもおかしな感じがしますが)
しかも、個別のコンテンツのリンクは不可、
TOSS批判との併記も不可、ということですから、
リンクはることできませんので、
興味のある方はご自分で検索してみていただきたいと思います。
(でも、オープンのサイトですから、それを見て参考に授業計画をたてる先生方はいらっしゃるわけですよね。著作権に対して、引用に対して、何をどう考えているのかちょっと理解できないんですけど・・こうやって、批判を展開するときには、本当は、リンクとトラックバックがあったほうが、公平だと思うのですけどね。批判に対する反論は受けてたちますから。)


あ、そういえば、教育再生会議でも、
山谷えり子事務局長がご執心だった、「脳科学の知見」は第二次報告に入ったのでした。
でも、分科会のヒアリングで「脳科学」のレクチャーをした「脳科学」の先生は、
「教育や育児に応用するのは難しい」という趣旨を述べておられたと思うのですけど。

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Last updated  2007.06.03 14:23:01
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本当に・・・@ Re:TOSS代表 向山洋一氏という方(06/05) あなたのような人がいるから日本は良くな…
ABC@ Re:私が「道徳(徳育)の教科化」に反対する理由(05/17) 昨日、集団的自衛権行使容認の法案が…
ABC@ Re:私が「道徳(徳育)の教科化」に反対する理由(05/17) 昨日、集団的自衛権行使容認の法案が…
ABC@ Re:私が「道徳(徳育)の教科化」に反対する理由(05/17) 昨日、集団的自衛権行使容認の法案が…
ABC@ Re:私が「道徳(徳育)の教科化」に反対する理由(05/17) 昨日、集団的自衛権行使容認の法案が…

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