4つ葉プロジェクト

2008/05/19(月)11:04

この国の価値観

杉山千佳(子育て環境研究所)(1000)

杉山です。 松田さんが早速、世田谷区内の子どものいる世帯が すべて年間3000円の寄付を、NPO法人せたがや 子育てネットにした場合の試算を出してくれました。 ううう。そうなんだよ。せたがや子育てネットに、 今年生まれた赤ちゃんのうちが全員一年間に3000 円だして賛助会員になってくれたら、 1800万円也。 1800万円。 0歳児だけで考えるとこうなるんだね。 世田谷区の子育て施策は、どれぐらいの予算で、 何に、どれぐらい使っているのだろうか? 先日、今度の4つ葉タウンミーティングの打ち合 わせで、高山静子さんと話をしたのだけど、 保育現場の事情に詳しい高山さんは、 「中間搾取が多くて、現場の保育にほとんど  お金が下りてきていない」 という話をされてました。 事務コストもいくつもあるしねえ。 夫にその話をしたら、それはこの国のやり方で 保育に限らないし、どこでもそうだよねーという ことでした。 ・・・・・・・・・・・ 先日テレビで、道路財源が一般財源化されるにあ たり、道路族のボスの議員さんが、 「福祉だ教育だと大臣が言い出すのは、情けない。  一般財源化されても、道路に使う」 とおっしゃってました。 小泉さんの三位一体改革が進んでいたとき、 道路のお金は「聖域」で地方分権の標的には ならなかったにもかかわらず、保育予算は、 あっという間に一般財源化されちゃった。 いくらにもならない子育て支援の予算は、 わたしたちも反対したりして、どうにかこうにか 一般財源化されずにすんだけど。 一般財源化されて、すべて市町村の裁量に任さ れた結果、保育園は公設民営の動きが活発化しました。 公設公営で公務員が運営していたのでは、コストが 削減できないから、市町村が真っ先に手を加えたの が、民間に任して経費を押さえる動きだったのです。 そのうえ、最低基準まで市町村の裁量に任せよと いった話もちらほら出ています。 道路を作るのと違って、人を育てるというのは、 相当の技術と知識と態度が必要です。 地方地方の子育て支援の資源もいろいろだから、 適切な対応だって必要なはず。 これは、これまでの保育関係者の怠慢でもあったの だけど、そうしたノウハウの構築もままならないまま、 市町村にすべてを委ねようとしています。 「格差」の話だってどうしたって、出てくるでしょう。 カネはわかりやすいから、東京都の医療費無料は 何歳までとか、どこどこはどんなモノが出るとか、 比較ができるけど、 でも、実はもっと怖いのが、 保育とか、子育て支援とか、ソフトの質のほうなん だよねー。 いったい、この国は、子どもを育てるということを どのように考えているのだろうか? 子どもを育てることよりも道路をつくることのほ うが大事と考えているのだろうか? 「子育ての問題は将来の問題だから。今、やって  おかないと未来に禍根を残すことになるから・・・」 という高山さんの言葉は、とっても重いと思いました。 わかりにくいもの、比較しづらいもの、だけど、 大事にしなければならないことから、目を背けないで 手を抜かずやる。 そこからしか変えることはできないんじゃないかな? と思っています。

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