4つ葉プロジェクト

2008/09/11(木)12:00

開国派!?

杉山千佳(子育て環境研究所)(1000)

杉山です。 これまで培ってきたいろいろなものを、今度はお返し する番だ、という気持ちがだいぶ強まってきています。 「R社根性」が抜け切れなかったこれまでは、 「言ったもん勝ち」、「出過ぎる杭になろう」なーんて、 思っていましたが(若気の至り)、もう40もとうに過ぎて、 子どもも成人間近になって、ねえ。 モノワカリのいいオトナになちゃうのかもしれないけれど、 いいや、そうではないアプローチってあると思ってます。 そのひとつが、ある程度、積み重ねてきたわたしなりの 「キャリア」を生かす生き方です。 お役にたてていただく。 やりたいことが、できることとは限らない。 先日聞いた、「思いは害よ」というひとこと。 わたしはそこまでずばりとは言わないけれど、同感~と 思ったのも確か。 できもしないのに、中途半端な「思い」で人を振り回す のは、それは、「害」になってしまう場合も、確かに ありますね(自戒をこめて)。 内輪の話になりますが、 立ち止まり、ちょっと考えてみませんか?と、 助け舟を出してくださるロッテンマイヤーさんに、 ほんと、救われる気がしました。ありがとう。 そんなわけで、大田区さんに呼んでいただいて、 お話させていただく機会ができたのは、とてもうれしく 思っています。 国の動きと、地域の動きと、家庭の現状とを、わたしなりに つなぎ合わせながら、何を感じたか、今後はどうしていったら いいか、など、お話させていただけたら幸いです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 今、柏女先生の『子ども家庭福祉・保育のあたらしい世界 理念・仕組み・援助への理解』(生活書院)を改めて読み直 していて、はじめにを読んで、「おっ」と思ってしまいました。 私は少子化に伴う一連の外圧を「黒船来航」と、表現したり しているのですが、柏女先生も似たようなお考えなんだー ということに気づいた次第。 で、 開国派は時代の変容とそれにともなう社会福祉・社会保障の 周辺動向に目配りすることを求め、 鎖国継続派は、時代が変わっても保障すべき子どもの最善の 利益を重視することを求めます。 という表記に、 「あ。わたしたち、開国派だー」と、思ったのでした。 とはいえ、熱狂的な開国派でもなくて、この重要な二つの視点で、 十分な議論をする必要があることと、 それは、当事者である親も巻き込んで、広く、開かれた議論で あってほしいと思う、「開国派」な、わけです。 この両派の和解による前進、すなわち「子ども家庭福祉・保育 のあたらしい世界」が求められているのでしょう。 というわけです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 大きく出ましたが、倒幕→明治維新にマニュアルがなかったように、 今回の、子ども・子育て分野での黒船来航にも、マニュアルはない、 でしょう。 でも。 現時点での、さまざまな条件下での、最善を尽くしたい。 「個人的な思い」を超えた、理論武装がしたくって、 わたしはたぶん、あがいているのだと思います。 言葉がほしい。 学者言葉ではない、言葉が。 そんなわたしが出会ったのが、 川端裕人さんの『みんな一緒にバギーに乗って』(光文社文庫) です。 区立保育園に配置されたばかりの新米男性保育士が主人公の 保育園のお話です。  仕事が楽しい。ほんの一瞬だが、竜太は心からそう思った。  将来、園長になりたいなんて思わないし、保育行政がどう したなんてことも考えたことがない。 ただ竜太は、自分が今ここにいることで、誰かが笑ったり、 楽しんだり、安心したりするのが好きだった。 (『みんな一緒にバギーに乗って』より) 保育園や保育士のことを知りたいと思ったら、ぜひ。 おすすめです。

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