2009/09/09(水)10:09
NPO的?なもの
杉山です。
先日の帰省の折、選挙速報そっちのけで、わたしたち家族は
NHK教育を観ていて、それは日本と朝鮮の連続番組でした。
母は「プヨとか聞くと、『帰りたい~』って思うの」と
言っていて、「お母さんの祖先は絶対、渡来人だね」なんて
話をしたのですが(福井の場合、それはあながちとっぴな話
でもありません)、わたしは・・・どうなんだろう??
前世というものがあるならば、わたしは、間違いなく、
「非農民」であった、と、思っています。
(詳しくは、網野善彦さんの著書をどうぞ)
なぜNPO的なものにひかれるのか。
「こどもたちのために!」
「社会を変えたい!」
っていう気持ちがないわけではないけれど、
そんな優等生的回答をしている自分がちょっとちょっとで、
で、『子育て支援でシャカイが変わる』なんです。
「シャカイ」にしちゃう、わたし。
もちろん、クラスには優等生はたくさんいるし、いないと
クラスは成り立たないので、優等生にたてつく気はさらさら
ないのですってば。
「NPOは悪党だ」と本能的に見抜いたのは、田中尚輝さん
ですが、今回は、本家本物の、悪党の話。
悪党的思考 中沢新一 平凡社
日本には、「公地公民」の範疇からもれる、人々がいました。
供御人、商人、禅律僧、密教僧、悪党的武士、山の民、川の民、
海の民(ここには海賊的な武士もふくまれる)、職人たち。
彼らは流動し、変化する「なめらかな空間」を生活の場と
する人々だ。
これらの人々の力が顕在化した姿のひとつが、「建武の新政」
であったと、著者は言います。
後醍醐天皇は、文字どおりの悪党をたくみに組織しおおせて
みせた。
悪党的武士の代表、楠木正成の登場である。
関東武者から心底意味嫌われていた悪党武士の組織化に
成功したとき、本格的な中世的秩序の瓦解がはじまった。
ただし、この力は、とにもかくにも忌み嫌われます。
徹底的に統制したのは、織田信長。
「楽市楽座」になったとき、それは、仕組みに落とし込まれて
しまいました。
そして、「刀狩」。文字どおりの武器のはく奪。
そして、
遊女は遊郭へ。
河原者は、芝居小屋へ。
僧は寺へ。
子どもは、寺小屋へ。
移動には手形が必要で。
入り鉄砲に出女で。
「民」は十把一絡げになっていくのですね。
この手の本とか話題は、時になんというか、適度な興味と
好奇心をあおり、危害を加えない程度であれば、いいん
じゃねーってことで、牙を抜かれてしまって、お茶の間の
消耗品に供されるのが多いのですが、中沢さんはギリギリです。
「春画」ってば、確かに、そうだ・・・
なるほど~。こういうふうに読み解くのかと、
先輩魔術師に手ほどきを受ける感じです。
かわいいぃ~
とかいって、むやみにナデナデしようとしたり、
無造作に抱っこしようとしたら、
ガブッと噛まれた・・・みたいなことにならないよう、
ご用心。
相手は、別に自分のことをかわいいとも思ってないし、
なででほしくもないし、
抱っこしてほしくもないし、
ガブッと軽く噛んで、いなしただけかもしれません。
「野性」とか「自然」とか、
つきあい方には、コツが必要だと、思います。
ちなみに、網野さんは「非農民」のカテゴリーに
女性と子どもを入れてらっしゃいました。
優等生的回答に飽き足らなくなった、もうちょっと
「NPO」的なものの根源を調べてみたくなった、
あなたに、ぜひ。
ただし、ちょっとかみごたえがありすぎなので、
準備体操を念入りに。