4つ葉プロジェクト

2009/09/23(水)08:34

人間関係を考える

杉山千佳(子育て環境研究所)(1000)

こんにちは、杉山です。 書評に入る前にいくつかお知らせさせてください。 福島みずほ新大臣も言及されてらっしゃいましたが、 学童期の子どもの放課後の過ごし方についての勉強会を このたび開催することになりました。 10月11日、日曜日の午後、大正大学にて、です。 わたしとしましても、久々の勉強会の開催です。 「久々に会いたいわ~」って方、お声かけてくださいましね。 ぜひ、ご参加ください。 詳細はこちらです。 そして。 先日、毎日新聞に新政権への注文を述べさせていただき ました。 ご関心のある方は、こちらまで。 感想など、ぜひまた教えてくださいね それと、この9月から西東京市で保育付の母親向けの 連続講座の講師を務めさせてもらっています。 これは3年目になります。 新しい、素敵なハハたちとの出会いは、いつもいつも わたしにエネルギーを与えてくれます。 新しい政権になって、混乱はあるだろう、だけど、「変わる」 ことへの期待も、ある。 選んだのはわたしたちなのだもの。 そんなすがすがしさや強さを、彼女たちから感じ取ることが できました。 おととしの受講生は、その後サークルを立ち上げ、市民講座 に応募し、今度、彼女たちが企画する講演会を行います。 講座修了後、「第2子、生まれました~」なんて人もいらっ しゃるし、彼女たちの姿は、まさに、子育て中であっても、 「ふつうの」お母さんであっても、等身大で、しなやかに、 こんなふうに活動ができるのね、ということを教えてくれました。 10月28日、ひばりが丘公民館にて、開催です。 テーマは 「今こそ見せてよ ママの底力」 ありがとね。 「思い」はちゃあんと、伝わるべきところに、伝わっている んだなあ・・・と、じわっとくる瞬間です。 http://diary-sereno.cocolog-nifty.com/diary/2009/09/post-5a75.html ・・・・・・・・・・・ さて、書評です。 そんな母親向け講座の第3期の受講生たちに、先日 「家族」に関するおすすめの一冊を持ってきて、みんなの前で 紹介してくださいとお願いしました。 本を手にプレゼンしている彼女たちの美しいことったら。 本当にびっくりしてしまうほどでした。 いいね~(← オッサンかよ)。 詳細はこちら。 ここでも紹介していた本を、今日はこの場でもご紹介 したいと思います。 河合隼雄 家族関係を考える 講談社現代新書 人が楽しんだり、喜んだり、悩んだり、苦しんだりの 多くは、おそらく「人間関係」においてだと、わたしは 思います。 そして、そのコアになるのは、まぎれもなく「家族」。 確かに、そうだ・・・と、再発見するようなことがたくさん 書いてあり、うなずくことしきり。 そのいくつかをご紹介したいと思います。 夫婦と言う横の関係を結ぶ絆と、親子という縦の関係を 結ぶ絆とは、その性質がまったく異なっている。 それに、兄弟・姉妹という関係が加わってくると、家族 関係は簡単に「一体」としては把握できない複雑さをもっ てくるのである。(P40) 夫婦は「意志」で選ぶものであるのに反して、 親子関係は絶対的なものである。 それはいくら否定しても否定し切れない。 という「運命」。 河合さんはこれを「愛の十字架」と表現しています。 (うまいわ~) ところで我が家は、相当な危機的状況を乗り越えて、 どうにかこうにか息子が大学生になり、いよいよ巣立ちの 時期を迎えようとしています。 そんなわたしたちにとっては、「家族の危機」の章が、 ほんと、ぴったりでありました。 危機が生じたとき、その重荷に耐えていると不思議な 転回点がくるものである。 という言葉が、ふっと腑に落ちたり、 「いけにえ」という文字が、妙に迫ってきたりします。 自己犠牲を伴わない自立は偽物である。 自立に伴う自己犠牲についてまったく自覚のない人が、 強い自立志向をもつと、その家族の中から思いがけない、 いけにえを出さねばならない。 「子どもがかわいい」と、世の母はいつも言います。 それは、「わたしの人生に彩りを添えるもの」だから、 「かわいい」(←「ママらしさ」を表現するコトバとして)。 ではありませんか? 「子どもがしんぱい~」って、それは、真に心配している のではなくて、 心配している自分にうっとり、 心配している自分が好き なだけではありませんか? 世の中は、そんなに甘くはありません。 自己を生かそうとするものは、自己犠牲を強いられる。 これは不思議なことであるが、事実なので仕方がない。 自立に伴う犠牲について、長い歴史の間に自覚してきた 欧米人と異なり、日本人が急激に安易な自立をはころう とすると、家族の誰かが犠牲になる。 しかも、それはいけにえの血を要求されることが多く、… (P140) 「あれはまさしく、いけにえの血の要求であった」 と、あの日あの時のわたしたち家族の日々を思い出します。 神さま、もう二度と御免です! と、お祈りしたくなるほどに。 とはいえ、まだまだ、いろいろあるのであろうなあ~~ と、額に手をやったりもしているわけですが。 そんなふうに、人生にはいろいろな節目があって、 その都度その都度を乗り越えていくためには、やっぱり いろいろな味方が必要で、この本は、わたしにとっては、 心強い「味方」になってくれる、一冊なのです。

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