2007/06/09(土)17:40
復帰
膝の負傷で入院し、しばらく店を離れていた。退屈な軟禁状態の病室から開放され、社会復帰はままならぬものの、とりあえずシャバの地を踏んだ。
早速店に迷惑な客として参上。出会うお客さんに「おーっ!」を連発されながら、ちびりちびりとノンアルコールビールを飲んだ。
「みんな頑張ってたで」スタッフの評価はまずまずだ。
「せっかくやからもう少し休みなさいね」「のんびりしたらええねん」「まだ無理やで」とあたたかく邪魔者扱いされることに、にこにこと愛想笑いを返しながら再びちびりとノンアルコールビールを口に含む。う~む、まずい。
「さっきもジントニック飲んだんだけどね。上手に作ってたよ。おいしかった」
うんうん、そうかそうか。そりゃあよかった。ジントニックのような単純なレシピのカクテルほど、良し悪しがはっきり味に出るのだ。ポイントはライムの状態や搾ったときの量、トニックウォーターの量、グラスに対するでき上がった全体量などなど。
みなも成長したもんだと、ほっと一息、またまたノンアルコールビールをごくり。やっぱ、まずい。
それからお客さんが帰り、何気なく伝票を見ると……あれ?
「ねえねえ、さっきのお客さん、ジントニック飲んだんじゃないの?」
「はいはい、飲まれましたよ」
「伝票ついてないやんけ!」
「……ずびばぜ~ん!」
その後、松葉杖パンチを浴びせ、僕はひょこひょこと店を去ったのだな。
うーむ、任せるのってムズカシイなあ。