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悠学日記

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岩本 悠

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2014.06.15
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「島留学」について多くの質問を受けるので、
それに対する一つの考えを、山陰のローカル誌に
以下のような形で掲載しました。


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島留学の未来形/グローカルな縁結び

 全国からこの島前地域で学びたいという生徒を募集する「島留学」を始めて5年がたった。今では年間の問い合わせ人数は500人を超え、選抜試験をくぐり抜けた24人(定員の30%枠)を毎年受け入れていくめどは立ってきた。隠岐島前高校のように県外への生徒募集を積極的に行う島根県立高校は10校に増え、全県立高校の4分の1に上っている。この動きは他県へも波及し、多くの自治体でこうした動きが始まっている。そのため、毎週のように他地域の行政や教育関係者などが島前へ視察に来ている。

 こうした状況の中でよく聞かれることが二つある。一つは、「ここで培ったノウハウを他の学校や地域に提供していくと、次第にライバルが増えて島前や島根の優位性が失われていくのではないか」という心配である。確かに、今まで「高校と地域の協働」「公立塾」「全国募集」などは珍しく、それだけで注目された。ただ、似たような取り組みが増えてくれば、話題性は失われていく。また、私たちが8年間の試行錯誤を経て多くの失敗の上でつくってきたモノも、他地域がそれを参考に取り組めば、今なら3~4年でもっと良い形がつくれるだろう。先進的と言われた取り組みもすぐに追いつき追い越されていく。そして、それが良いのだ。そこから今度はこちらが学ばせてもらえば良い。そうやってお互いが学び合い高め合っていけば全体のレベルが上がっていく。類似の取り組みが増えていけば、やっているかどうかではなく、やっている内容の「質」が問われるようになる。そして、各地域と学校の特色と魅力が高まっていけば、日本全体の教育力向上につながるとともに、子どもたちにとっては入学する高校の選択肢が全国へ広がっていくことになる。

 もう一つよく言われるのは、「日本全体が人口減少と少子化になっている中で、どこも島前と同じようなことをやりはじめたら、減っていく子どもの奪い合いになるではないか」という懸念である。こうした意見も一理あると思いながらも、私は逆に、多くの過疎地が島前のような取り組みをしていけば日本全体の子どもの数は少し増えるのではないかと思っている。

 島留学などで島前へ来る生徒や家族の大半は、首都圏や京阪神からである。地方は長年、若者を都市部へ送り出し続けてきたため過疎化していったが、教育の魅力化による島留学や教育移住はその還流を起こす動きとなっている。大都市は1人の女性が一生に産む子どもの平均数は少なく、田舎は多い傾向がある。合計特殊出生率を見ると、東京都は全国最低であり、島根県は全国トップ5に入る高さである。子育てや教育のために大都市から地方へ移る若い家族が増えていけば、日本の出生率は今より回復するかもしれない。

 また、日本は少子化で人口減少だが、地球全体を見渡せば、世界の人口は急増し、子どもの数は増え続けている。日本語学習者も世界では増え続けており(国際交流基金によれば過去33年間で31倍)、中等教育段階で日本語を学んでいる海外の生徒は200万人を超えている。そして、その4分の1は学習の目的として「日本への留学」を挙げている。実際に海外から島前高校への問い合わせも増えている。

 そこで、日本語がある程度でき、日本で学びたいという意欲や能力が高い海外の子どもたちに、日本の高校で学ぶチャンスを提供してはどうだろうか。特に少子化が進む地域の高校であれば、なおさら良いであろう。海外から訪れた、意欲や能力の高い子どもたちが机を並べて一緒に学ぶことで、日本の生徒たちも大きな刺激を受けるであろう。また日本の高校と地域で育てた子どもたちが、いずれ母国に戻れば、その国と日本の地域をつないでくれる懸け橋にもなってくれるだろう。

 世界と田舎が結ばれる時代はもうそこまで来ている。

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Last updated  2014.06.15 20:25:05
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