台湾 ふた旅 ⑤ 台湾戯棚で「白蛇伝」を楽しむ
2024/04/19/金曜日/武蔵野丘陵の初夏風4/13 夜 まだ台湾2日目立派なオフィスビルの中に劇場、台湾戯棚 がある。企業メセナなんだろうか。それとも政府の肝煎か。何しろ伝統芸能だ。劇場のフロントには千里眼と順風耳の大きな鬼神像鬼神のように、ようく目と耳を働かせて京劇を堪能しなされ、という計らいかな。エレベーター脇の窓口で予約を告げチケットを貰い、劇場フロアに上がる。エスコートの素晴らしいスタッフは丁寧で、楽しんでほしい気持ちが伝わる。劇場前に様々なアトラクションがあり、これならもっと早く来ても良かった。中国琴の演奏で迎えてくれる。めちゃイケメンなメイクアップアーティストが、腕や首に絵を描いてくれたり、京劇衣装を着ての撮影もあり。顔の隈取りデザイン。それぞれ役向きがあるのだろう。歌舞伎に比べるとパワフル。レスラーの仮面マスクのようでもある。化粧に関心のある人が多い?主役の女優さんが、メークの経過ごとに役の中の人物へと変容するみたい、顔つきが変わる。眠るなんてとんでもなかった。台湾EYES は 観客を楽しませる事に徹した芝居集団。舞台装置はない。壁の、おそらく白蛇伝のシンボルのみ。舞台右奥の演奏陣は充実している。川を渡る舟に揺られる場面など登場人物の呼吸のあった動きや音楽で、その情景を表す。トーンの高い声のミュージカル仕立て。白蛇の精が風光明媚な場所に遊んで、見染めた美しい男に恋をするが、高名な僧侶がこの結婚を怪しみ、男を救い出そうとする。白蛇軍と僧侶軍の闘い場面が見せ場アクロバティックな動きや、舞踏のような武闘にハラハラワクワク、大人も子どもも大喜び白蛇は僧侶に向かい、私は千年の修行を積み、ずっと昔からこの村のものたちの病を治し霊験あらたかだ、などと字幕スーパーでは読める。僧侶の寺は水に沈める寺となりぬ。白蛇に属する水の精の激しい連続バック転がそれを暗示しているかのよう。さて、どちらが勝者かは俄かには分からない。西湖のような、美しい風景に思わず人間以外のものも呼び寄せられるのだろう。異類婚姻譚であり、アニミズムと新興宗教の転換でもあるのだな白蛇伝は様々なバリエーションがあるようだが、日本長編アニメの嚆矢となった作品とも聞く。高いキーも柔らかい中国語で聞くと気にならなかった。動画は撮れないが、画像はOK日本のエンタメも少し見習ってはどうだろうか。