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カテゴリ:板に付く
2021/11/1/日曜日/秋晴れ
羽衣 なんとまあ。武相荘前のあまり広くない庭先に能舞台が設置された。一時頃着いて三時開演前の間に日差しが少しずつ傾いて、空気が霊妙に変化して来るよう。 狭い舞台に総勢12名。橋掛は尺五ほど。さてこの極小の空間に松原の白波、山並みを越え月世界に昇る天女、それら風景が出現するのかどうか。 羽衣は謡の者、ツレの頬も掠め、憂き世の人に舞を伝えんとする勢いで衣の掛かっていた松の木から観客席を覗き込む姿が見られた。 果たしてこれは屋内能舞台ではあることだろうか。天女の衣を既に纏った存在が、いかにも人間くさくなってしまったように感じられ少し違和感を覚えたけれど、白州正子さんのエピソードもそこはかとなく思い出された。 しかしこれは意図したことでもなければ計算ずくのことでも無いように思われた。 序の舞から破へ移行するに及び音曲も激しさが増し、樹上の野鳥たちの声もひとしきりボリュームが増す。秋の傾いた光が天女の挿頭を輝かせ移ろわせ、落ち葉もひとひら舞う。 外で演じられる醍醐味。 今度は屋内能舞台で再び友枝雄人氏の羽衣を見たい、どれだけ違うのか、違わないのかを。 お能の前に大鼓、小鼓のワークショップがあった。 「はるがすみ たなびきにけり 」の段を楽しんだ。 よおーぉ〜、ほ、ほ の例の掛け声?が気持ち良く、腹の底から出ると身体の中心が感じられる良い企画だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.11.05 08:51:59
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