000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

あむ日よむ日あくる日

あむ日よむ日あくる日

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

天然風

天然風

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

日記/記事の投稿

コメント新着

天然風@ Re[1]:道に拾う(07/17) りぃー子さんへ なかなかスムーズにお返…
天然風@ Re[1]:トライアングルモチーフバッグ完成(07/19) りぃー子さんへ お返事に気づかずすみま…
りぃー子@ Re:トライアングルモチーフバッグ完成(07/19) わー!素敵なバッグです。 しかも、重みが…
りぃー子@ Re:道に拾う(07/17) こんにちは、モグラの子、今まで二度ほど…
天然風@ Re[1]:旧朝倉家住宅(02/20) 富久道義さんへ いつもありがとうございま…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2024.08.16
XML
カテゴリ:本日読了
2024/08/16/金曜日/台風7号に閉じ込められ





〈DATA〉
出版社 岩波書店
著者 内藤正典

2023年8月18日  第1刷発行

岩波新書(新赤版)


〈私的読書メーター〉とても勉強になりました。なぜエルドアン大統領が長きに渡り大統領の座を占めているのか。その背景が米欧の受け売りでなく、日本人の学者とはいえトルコ共和国内部の声として響く。そんな語りが我が国にちゃんと存在する事に安心感を覚える。ユーラシアの東西の端に存在する日本とトルコはお互いを鏡面にして見つめる事が可能で有効ではなかろうか。尤も圧倒的に日本の方が学ぶことは多い。地震被害の迅速な対応、カルト教団による国家転覆対策、貧困者救済と商売のセンス、女性の社会進出、外交と国益。著者の宗教観反映を差し引いても優れた国だ〉



オスマン帝国が崩壊し、英仏などが利権を求めてというより貪る、が正しいくらい、彼らがアジアアフリカを食い物にしてきた歴史は周知のこと。

彼らが卑下する対象国の反撃で手痛いしっぺ返しを受けるとたちまち手を引き、その地を混乱に貶めた欧米列強の無責任さ、非人情も周知のこと。


彼らの行動を正しくジャッジする国際法は、地上で機能しているのかどうか。


そんな歴史の辛酸を最大限舐めて来たのは、地理的にもオスマン帝国、その後のトルコ共和国であることは想像に難くない。


自国の利益には極めて計算高いのに、アジアアフリカに対してはキリスト教国であることで団結し、世界を分裂させ軍産複合体を太らせ、でっち上げで戦争を生んできた、彼らのやり方に絡め取られたATMニッポン、です。


トルコはどうか。

建国101年目にして、全き独立国だ。
昨年は国産EV車生産を果たしたというから驚きだ。


アタテュルクと称されるトルコ独立の父の政治改革は、宗教と政治の分離であり世俗主義の完徹だ。
特に軍部と司法がこれを徹底して、場合によっては権力を用いて堅守した。


それがかえって思想信仰の自由を損なう勢いになり、従来の保守政党の金権腐敗が富める一部と貧しい国民に分断され、都市に流入した貧困層のバラック群の劣悪な環境が大問題に発展する。

そんな彼らの一軒一軒を訪問して、困りごとに耳を傾け解決策を国会で議論し、イスラム的包摂で支援したのがイスラム主義政党であり、司法の度重なる解散命令に挫けることなく再起していった先のエルドアン大統領であった、のだという。


しかし、そんなエルドアン政権はEU加盟、それは未だに承認されていないが、そんな事にお構いなく、EUスタンダードを20年かけて、法律を見直し改正していったというのも思考の柔軟性を覚える。


死刑制度の廃止。私はこれが最大の事業、成果ではないかと信じる。野蛮ニッポンはEU加盟からは弾かれますね、地理的にあり得ないにしても。


そんな国であればこそ、ウクライナ侵攻のロシアと商売関係は続け、ウクライナにもドローン兵器は支援するのではなく、売る、のである。

このプラグマティズムはアメリカを凌ぐ。
アッラーは商売の神である。


そんな国であるからスウェーデンのNATO加盟には反対で粘って、長年の喉のトゲPKKでの大幅な譲歩を呼び込んだのだ。


はい、ニッポン。
欧米思惑から口汚く罵られようが、国民のため、国益のため、誠を尽くせる政治家がいるだろうか。


因みにトルコにおける、昨年大統領選の投票率は85%である。


そしてコロナパンデミックで苦しむ国民に向けて、彼らの琴線に触れるエルドアンの言葉。


そんな言葉を日本のリーダーで持っている人って‥

国も国民もいない、そんなニッポンになっていないだろうか。
大いに危惧し、大いに傾聴した本書である。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.08.16 15:20:48
コメント(0) | コメントを書く
[本日読了] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X