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テーマ:建築探訪(70)
カテゴリ:open to public
2024/09/06/金曜日/暑し。
今年お花見の頃の芹沢銈介美術館行きは、展示の入れ替え中で、見学ができなかった。 事前にHPなんぞで細かく調査しておけばよいものを、その手間をサボっては毎回こんな事に出会す。 度し難きワタクシめ、でござります。 美術館開催中の日曜日は芹沢銈介さんの自宅も見学できるとは、ケガの巧妙?前回訪問時に看板を見て知った。それはウマシ、美し。 それで一泊旅の戻りの日曜日を美術館訪問にあてた。行きは息子夫婦へのオランダデンマーク土産でバッグが重い。帰りは身軽と踏んでいたら、子どもらのタイ土産で同じくらい重い。なんと。 静岡駅でコインロッカーを探すもみな使用中。 コインロッカーが少なすぎる! 駅案内で構内のコインロッカーを教えてもらい、あちこち探し歩く。どこも埋まってる! 駅の一番東側の場所で奇跡のように一つ空いているのを発見T^T、間も無く出発のバスを乗り過ごしたら次は45分後である。走る。 何のことはない。バス停の背面にジャーン、ロッカーの壁があるのだったT^T ドギカマジカな慣れぬバス乗車と前回とは違う道を歩いた。 振り出しからほぼ5ヶ月、ようやくこの地点への双六 一度振られていると、感激はひとしおである。 建物はいいなぁ、勝手に移動してないし。 約束を守ってちゃんと開いてるって奇跡じゃない?とか、もうそれだけで嬉しさ込み上げるのである。 庭へと導く小道 こざっぱりと簡潔。何のテライもない。 でも粗野ではない。改めて思う障子紙の清潔さ。 蔵なので天井はそんなに高くない。そして重量に耐えられる強度があるだろう。それが健康な骨組みを観るものに示すのだ。 土仕事好きなら、通り土間は素晴らしい工夫だ。 家の表情を決定するのは建具だと思う。 二階から繭玉とか保存された農産物をそのまま下ろせるように?なのか、せり出した床の開口部は掃き出しである。 元は登米市の農家の板倉だったものを、気に入って芹沢銈介が蒲田に移築したものを当地は更に移築した。板倉にとっても思いもよらぬ旅だろう。 草色の聚楽壁。漆喰ならどうであったろう。 民藝の方のインテリアは正に私好み、北欧スタイルとも親和性が高い。 オリジナルでは掃き出し開口だったところに、浅い出窓を設置して上げ下げ障子で光の調整ができる。 出窓のアイディアは柳宗悦によるとか。その出窓に対面して彼の写真が掲げられていた。 柳は芹沢を愛し、芹沢も柳を慕ったそんな空気がじんわり漂う。 人間は食べたところのものであるとはサバランか。いや、人間は住んだところのものである。 と私は思う。 無駄なもの、虚飾を廃して本質に迫る。ことを押し付けがましくなく導いてくれるような空間。 それが日本建築の美の標準ではなかろうか。 濱田庄司、河井寛次郎、柳宗悦とそれぞれの自宅を見たが、私は芹沢銈介の、この小さなアトリエ兼住居が大好きだ。 ↑芹沢銈介デザインのスチール製ガーデンチェア 二階は残念なことに見学出来なかった。 出窓、椅子、お地蔵さま お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.06 20:12:40
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