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テーマ:最近観た映画。(40206)
カテゴリ:映画➕アルファ
2024/10/19/土曜日/妙に暑い、29度
ジョーカーの続編も公開中だったけれど、前作を観た後は胃の臓腑がムカムカなるくらい絶望に襲われたので避けてしまう。 こちらだって、政府軍と独立したカリフォルニア州テキサス州連合軍同志の、分断されたアメリカ国民の戦争なので、陰惨なものであるのは必定だけど 見終わって感じたことは米国が銃社会であること。ジャーナリズムがかろうじて機能しているというか、報道は存在していた、ということ。 で、その内容とか質はどうなのか。 その背景を知りたければアメリカという国の来し方を尋ねなくてはならないだろうけれど、米国史はほんの少し読んだ、くらい。 3回の訪米、しかも一度はハワイの観光やショートホームステイ程度の関わりではアメリカって全然分からない。 朧げに感じ取れるのは以前読んだフォークナーから滲み来るアメリカの姿が、この映像と近しい印象をもたらすということ。 同国人ながら受け入れられないほどの乖離、土地土地の歴史背景や宗教…いや宗教などというものはこの映画では体良く避けられていたが。 というより戦争カメラマンとか、ジャーナリズムとかテーマがそちらにスライドされて、市民分断の焦点はピンぼけだったかもしれない。 ベテランカメラマンのリーを演じる女優の存在感は素晴らしかった。人心も国土も荒廃する風景を車で走り抜ける日々の、ほんのひととき、横たわり草原の青い花を見やる、その静かな眼差し。 カメラではなく生の目で見た青い花の命と共鳴したような彼女の瞳は既にカメラマンであることを終了しているように感じさせる。 国がどうなるかしれない中で、当事者たることを放棄し、その事実に心も思考も閉した、古き良き東海岸の小さな町のコミュニティが描かれていた。 日本人としての私はさすがに居心地の悪さを覚える。平和を願うことの困難な道を思う。 ガンジーが言ったように。 意味不明な大量殺人者、ルックスがティピカルアメリカンな彼が〈アメリカかアメリカでないか〉をジャッジして問答無用で他者を殺傷する場面。 どこの出身か聞かれ、恐ろしさに返答もできないアジア系←彼は日本人俳優と思われる←ジャーナリスト?パパラッチ?が、何とかひねり出した香港! 秒殺である。 これは色んな意味でやばいアメリカだ。レイシストの上をいく。トランプの拡大系はこれに繋がるやもしれない。 トランプ。とハリス。 独裁になる危険をはらむ者と多様性を説きながら実はDSの踊り子かもしれない者と。 オルタナティブがない! 私たちの国もまた間も無くどんな船に乗り込むのか票を投じなければならない。 自分の選挙区に投票したい立候補者がいない! それでも棄権する事はできない。 全くもって不条理を生きるのみ、なのだな。 苦々しきこと重なる。 大統領選を前に日本を支配するこの国の姿を知りたくて好天の昼間に暗い部屋に入ったのだった。 ところで。 ホワイトハウスには地下道が軍用機の発着基地まで絶対通じてるはず、と私ならシナリオを書く。 その裏をかいて最後のインタビューをする。 ジャーナリストの音声に兵士が立ち止まる この場面はよい。 しかし速攻射殺ですか。裁判無しですか。これは戦争ではなく殺戮、それを証明してしまったラストがいけない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.19 14:48:44
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