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テーマ:読書(9356)
カテゴリ:本日読了
2025/05/07/水曜日/夕方小雨
![]() 〈DATA〉 出版社 平凡社 著者 瀧音能之 タキオトヨシユキ 2018年6月15日 初版 第1刷 平凡社新書883 〈私的読書メーター〉〈痛勤電車で本書、遅々として読む。官命により国司が編纂した風土記にあって、異色は出雲国のものだ。奈良王朝役人ではなく、出雲国造広島と秋鹿郡の神宅臣金太理の作成であることが完成日と共に奥付!に記載あり。記紀と風土記は8世紀前半に成った。国史編纂の大事業の傍、地誌とも言える風土記も同時に作る必要が何故あったのか。編纂目的の内の山川原野地名由来及び古老の伝承を一網打尽とし記紀との矛盾点あらば風土記側を排除する、そんな謀略をツイ裏読みしたくなる王朝成立前の倭国動乱の歴史がある。歌垣について、誠に心に伝わる解釈あり。〉 風土記が完全な形で残っているのは出雲国風土記だけ。もっとも出雲氏の私的な書物との見方も。 記紀と風土記の描かれ方で異なる顔を見せているのがスサノオだ。 記紀では荒ぶる神の一面をもつ、極端な分裂者のよう存在だ。 今の時代ならまるでトランプ大統領? いやいや、それを遥かに凌駕するカオスとエネルギーを発するスサノオ ところが出雲風土記では、一人の女性、クシナダヒメを愛する円福者の如く描写され、ヤマタノオロチなぞは登場しない。 まるで別人のようなスサノオ これは一体何を意味するか。 併せて、大国主命の舅でありながら、同時にご先祖とも描かれる、この不思議な関係は何をどう整理すれば理解できるか。 それに答えてくれる解釈は、学術研究者の書物からはおそらく難しい。 スサノオに最も迫った考察といえば、私的には今のところ、富家伝承の出雲口伝が一等だ。 日本の古代史から抜け落ちた徐福と出雲王国。 そのことに光が当たれば、従来の日本史が全く新しいページを開くのではないかと期待が募る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.05.07 20:17:18
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