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大切な日々

大切な日々

出会いの中で

中国での生活の中で私が唯一障害児の子育てや症例に
ついての情報を得ることができたのはインターネット
からでした。

毎日毎日、PCの前に座っては「水無脳症」と打ち込んで
検索!でも当時、出てくる情報の件数は10件にも満たない
という状況でした。
ある日、また何も出ないんだろうな~と思いつつ検索
してみると今までには見たことの無いHPがヒットしました。

なんと、ゆうだいの同病の子供さんを持つお母さんがHPを
立ち上げていたのです。
そしてそのHPをきっかけに日本国内に住む何人かの
同病のお子さん達とその家族に出会うことが出来ました。
初めてできた仲間…とっても心強く感じました。

お互いに情報交換し時には相談しアドバイスし合いました。
他のお子さんもやはり厳しい告知を受けていました。
我が子が歩くことも話すことも、何より長くは生きられない
という現実をどんなに辛い気持ちで受け入れてきたか…。
同じように苦しんで来た分だけ、みんな同じように優しくて
子供のことをとっても愛していました。

水無脳症は他の難病と違って国からの難病の指定もなければ
親の会もありません。
発症数が少ないこともあるし生まれて来ても知り合う前に
亡くなってしまうことが多いからだと聞いたことがあります。

少しでも情報を得ようと海外のネットも検索し、アメリカに
親の会があることがわかりましたが、それでも患者数は100
人にも満たないようでした。
でも実際に生活している子供たちの情報や子育てや医療ケア
については盛んにやり取りがされていました。

その中でやはり目の当たりにした現実…幼児期をサーバイブし
どんなに元気に過していた子も10歳前頃までにはみんな亡く
なっているということ…。
「小学校までは入学できるかもしれませんがそれ以上は…」
そんな医師の言葉が蘇り胸が苦しくなったこと、覚えています。

でも日本にいる私達ともう一つ同じだったことがあります。
やっぱり両親が子供達のことを心から愛し大切に育て、
他の家族の事も親身になって励まし祈るということ…。
そして現実を受け止めつつも限られた中で子供の生命力を信じ
出来ることを見つけて、すばらしい我が子だと胸を張って
言えるということ…。

過酷な運命を背負ったこの子達がくれたプレゼントは
勇気、強さ、優しさ、喜び、笑顔…そんな宝物ばかりです。

そしてもうひとつの素敵なプレゼントはゆうだいがくれた出会い。
同病に限らず子供達はみんな命を輝かせて生きていること。
家族はいつも心を砕いて精一杯子供を愛していること。
出会いの中で知ったそんな一つ一つのことが私の大きな支えと
なっていったのでした。


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