享徳の嵐・無事終了いたしました。
そうしゅです、ども。身体はまだ痛みとだるさ、残っていますが、比較的元気です。もっとダメージ大きいかと予想していたので、思っていたほどではありませんでした。両腕はまだ鉛のようで足もしびれてふらふらしておりますが、ま、どうってことはないです。そうしゅは痛みに対して許容範囲が広いので♪さて。享徳の嵐のご報告。日曜日は土曜日と同じくらいお客様がきてくれました。300人弱。なので、2ステージ合計で600人弱というところでしょうか。いろいろなイベントの重なるこの時期、まあまあの集客であったと思います。日曜日の舞台はなんだか感無量でした。一人一人に着付しながら、声をかけました。「今日でこの衣装ともお別れだね。悔いのないよう、舞台で思いっきり楽しんでおいで」一人一人、みんなそうしゅの子供のようです。張り切りすぎても大丈夫なように、しっかり丁寧に、細心の着付けをしました。ゆるいのは問題外ですが、身体を締め付けるのではなく、吸い付かせるように。衣装がその子の身体の一部になるように。着崩れを気にして動けないのでは、役者の足かせになってしまいます。衣装は、役者を芯から弾ませるアイテムでなければなりません。かっこいいから、可愛いから、美しいから、その姿を崩したくないから役者はきれいに動きます。無作法な動きをしなければ、どんなに暴れても衣装は身体の一部になっています。役者達はそれを本能的に知っているようです。みんな生き生きと、舞台狭しと暴れ回っていました。着付けから終演までの6時間、簡単な手直しはしましたが、大きく着崩れた子はいませんでした。みんないい子だね。最後まで、衣装と仲良くやってくれて嬉しいです。芝居の評判もおおむね良かったようです。アンケートでもダメだしは数えるほどしかありませんでした。折りたたみのパイプ椅子に3時間。お客様はさぞやお尻が痛かったでしょう。ただただ感謝感謝です。舞台監督のSさんは、打ち上げの時もずっとそうしゅの傍でしゃべっていました。この人がいなければ、成り立たない芝居でした。素人芝居を脇からしっかりと支え、凹みすぎてくたびれてしまった衣装担当を事も無げに救い上げました。ほんとにそうしゅは、今回ほど辛かった芝居はありません。今までに5回、芝居の衣装に関わってきました。最初は着付けと所作指導だけ。それがいつの間にか衣装製作までやるようになり、数が増え、難解になり、とうとう今回は過去に類を見ない規模での衣装製作。そうしゅは去年のうちからこつこつと製作を始め、年明けからは全てのオフを費やして寝る時間も削り抜いてひたすら作り続けました。けれど、いろいろなトラブルがあり、悔しくて、悲しくて、情けなくて、何度泣いたか・・。ほんとに、もう降りようと何度も何度も思いました。でも、最終的には、この芝居は旦那がずっとやりたかった題材だという事、そこに行き当たるのです。旦那の為に、やり遂げよう。そう自分を奮い立たせてきました。それさえも、本番二日前には完全に萎えてしまい、怒りを通り越して絶望し、気力が抜けてしまいました。しかし、ふらふらと小屋入りした本番前日。舞台監督のSさんが全て受け止めてくれました。プロに労われ、認められ、「大丈夫。俺がついてんだから。心配ないからさ」と言われ、どんなに救われた事か。そしてSさんも言うのです。「俺もツネ(うちの旦那)の為にやるんだよ。ツネに頼まれたことだからさ」そうだ。私もSさんも、旦那の為に引き受けた。旦那がこの芝居をやりたいんだ。だいじょうぶ。Sさんがわかってくれている。衣装の事も、着付けの事も、裏方の苦労を全部わかっているから。「たいへんだったとおもうよ。こんだけの衣装つくるなんてさ。ほんとにすごいよ」「早替えの心配はしなくていいよ。焦らなくてもいいから。俺が指示しなくちゃ明かり入れねえんだから。すむまでちゃんと俺がつないでやるから心配ないからね」「着付け手早いよ。早替えも全然問題ないから。ちっとも押してないし、間に合ってるよ。大丈夫大丈夫」一言一言に勇気をもらい、自信を取り戻し、そうしゅは元気になりました。本番には気合い十分、自信たっぷり、勇気百倍、完全復活。いつものいばりんぼでちょっとおっかないそうしゅに戻っていました。そうしゅを操縦するのなんて、実はとても簡単なんです。うんとおだてて、甘えて、誉めて、そして喜んでやればいい。喜ばれる事にそうしゅはめろめろに弱いです。いま、まったく片付かない衣装や道具類の山に埋もれて、しみじみ思う事は、言葉って凄いなあってこと。そうしゅは届かない言葉に傷つき、屈辱を感じ、でも、届けられた言葉に救われ、自信を取り戻したわけで。そして、打ち上げの席では役者からも裏方からも、みんなに感謝の言葉をもらい、労われ、天にも昇る心地で、下戸なのにそうしゅは言葉に酔ってしまいました。(笑)打ち上げが終わって、へべれけに酔っぱらった旦那を乗せて帰る車中、「そうしゅちゃんのおかげでまた芝居が出来ました。有り難うございました」と旦那が言った。旦那はいつも、一つ芝居が終わるとどんなに酔っててもそう言うのです。この言葉をいつも貰っているから、旦那の演劇活動を応援できるのかもしれません。そうだよ。所帯持ちは家族の協力あってこそやれるのです。旦那はまた、なにか企ているようです。けれど、出来ればそうしゅを巻き込まないでいただきたい。(笑)まあ、とにかく。しばらくは、日本舞踊の事だけ考えていたいなあ。おっと。その前にこの衣装を片付けなければ。毎日洗濯機フル稼働です。クリーニングにださなきゃならない物もあります。まだまだかたづきそうにありません。