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hoopou_chu

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「フーッ、ウェッ、プー、・・・・・・」。
これは、お酒を飲んだ時の誰しもが経験するトイレでの「オシッコ」の風景である。
少々ご機嫌になり、目を瞑って体を揺すりながら満足そうに用便を為す。
そんな時、ちょっと甲高い声のこんな声が聞こえたならどうしますか?
「飲み過ぎではありませんか?」とか、「タクシーをご用意しましょうか?」や「代行車にご連絡をしましょうか?」などと、もしスピーカーが鳴ったならどうするだろうか?
これは、「おしゃべり防臭剤」と言う新しい「飲酒運転撲滅運動」の警告音声である。
勿論、これは日本国内でのことではない。
アメリカは、ニューミキシコ州での話しである。
一瞬、お酒が冷めるような音声にビックリして辺りに散らしかねない光景でもある。
いずこのお国も、この飲酒運転には手を焼いているようでその撲滅を狙った装置とか。
これは、バーや飲酒も出来るレストランなどを対象に協力してもらい、耳を傾けてもらうための奇抜な手法の「アイデァ」と言うことのようである。
日本でも、こうした「酔っ払い運転」は後が絶たない。
過っては橋から、親子4人も跳ね飛ばし子供2人も水死させた事件は今でも生々しく記憶に留めさせている。
この話しを、わが飲み友達である友人の元デカの「チョビ髭」さんにその導入について聞いてみた。
「うーん、確かにアイデァとしてはいいな。
だが、これが容認されればかえって飲酒運転が増えるな」と言う。
「どうして、酒が冷めてさ、あっ、そうだ、そうしょうとなるんじゃない?」。

「ところがだ、店側ではな、こうした危険行為の指し止め装置があるからとか、注意を(うなが)しているからと言う安易な認識が、反対に酔っ払いを増殖する結果になることだってあるやも知れん」。

「それは、あるかもなぁ」と土建屋の「ドラ太」さん。
「それよりもさ、あのダムがさ、水を放流する時に流す公域放送があるでしょ。

確か、堤防の電柱に拡声器があってさ、増水の注意を呼びかけているな。
あれ式をさ、道路の信号機の所々にセットして見たらどうなんだろう?」と、浅倉さん。

「と来たか、そんなことをしたならさ、安眠妨害だと市民から苦情が来るだろうて」と、チョビさん。
「安眠妨害か、なるほど、ままならねぇ話しやな」と、ドラ太さん。

「あのな、こんな苦情もあったんだぜ。
信号機のな、あの通りゃんせの歌がさ、耳障りで寝れねぇからなんとかならんかとさ、数箇所から苦情が来たことがあった。

そこで、時間帯を決めて夜の9時以降は鳴らさないようにしたんださ」と、元デカのチョビ髭さん。
「それで、一件落着か」と、浅やん。

「ところがだ、今度は全然異質な注文が飛び込んで来たんだよな」。
「異質な注文?」と、ドラ太さん。

「なんだと思う、ちょっと考えられない注文だったな」。
「異質か、あれかな、パトカー?」と、浅やん。

「うーん、遠からずというところかな。
それがよ、なんとよ、救急車のサイレンをなんとかしろと言うご注文さ」。

「なにっ、救急車・・・・・・・の音だと?」と、ドラ太さん。
「夜中にな、大した車も通らん道路をな、おびただしいサイレンを鳴らしてさ、自己主張をされたんじゃよ、眠れねぇと言うご注文よ。

そりゃー確かに、過疎の町なんかもあるさな。
特に夜間はよ、静まり返っているだけにうるさく遠くまで響くんだな。

何とかしろと言われてもなぁ、これだって法令で決められていることなんだからな。
しかも、救急だぜ、人命がかかっていることなんだぜ、な?」。
トイレの「飲酒運転防消剤問題」が、いつしかトンでもない市民の苦情報告に話しが逸れてしまった。
「そう言えやぁあれだな、どうせなら人の集まるホテルやデパートとかスーパーにさ、万引きにご注意くださいとでも言うマイク装置をつけてもらった方がいいかもね」と私が言うと、すかさず浅やんが面白いことを言い出した。
「あっ、そうだ、飲んだら乗るな、女房の腹の上だ」と。
「なにっ? そんなバカな。 なんでぇや?」とドラ太さん。
「知能指数の低い子が、産まれるそうだぜ」と言う。
「そんなこたぁねぇさ、あれとは頭の出来は違うと言うぜ。
気違い水は、腰までだってさ、頭の知能指数を左右しねぇと言うぜ」と、再びドラ太さん。
「ちげぇねぇ、頭の出来不出来は血統よ。多分に、影響があるな」と、チョビさんが同意する。
「だってさ、頭はともかくにしてさ、足がふら付いて小便してらぁーな?」と、浅やんが反論めいたことを言う。
「あれか、あらはな、上体が萎えでいるからなそのバランスをとろうと揺れているだけさ。
それよりもさ、家の玄関のチャイムを鳴らした瞬間によ、午前様はお断り何てぇ言う装置で警告されたんじゃーな、入るに入れねぇな。
オマケに、小便までが止まるかお漏らししてしまうぜ」と、チョビさんが本音らしいことを吐いた。
酔っぱらいの、勝手な解釈談義で賑やかだったがトドのつまりは、女房の不機嫌な顔が最大の警報装置のような気がした。
「警報機 要る要らぬかは 人により」で、最後は自分自身の注意力が大切なようである。

 



 



 



 



 



 



 



 








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Last updated  2013.10.16 18:16:23
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