Brave Heart

日経にヤットの記事が出てる、泣けるから見てみ、
と妹に教えられて読みました。


遠藤保仁　パスを操る日本の心臓

言われた通り、泣けました。


フリューゲルスに入ってレシャックとやれた事は、
今から考えても必然だったとしか言いようがないのだ、と
改めて思いました。
あの子がプロになって、初めて会った監督がレシャックでなかったら、
今のあの子はなかったかもしれない。

京都では、ゲルトが引き続いて彼の面倒を見て。
（文さんも見てくれたけど）

そして、西野さんへ。


思えば、あの子のことを変に
どうこうしようとはしない人達とやってきたことも
大きかったんでしょうね。

つまりは、そういう道をちゃんと彼は選択して来れた、
ということでもあるでしょうか。

で、最後の最後にそんな彼に、
今のままではダメだとはっきり言える、
オシムさんに出会った。

これ、ダメ押しの仕上げだったと思う。

ヤットに足りないものを正確に指摘し、
乗り越えるためにすべきこととその道を
オシムさんは示してくれた。

彼の特性を損なうことなく。

改めて、偉大な人だったと思います。


さて。
ヤットのことを、やる気が見えないだとか、
覇気が感じられないだとか、
身体を張らないだとか一生懸命じゃないとか、
色々言う人はいます。

私に言わせれば、
どこ見てんだろう、と思います。

もっとも、限られたテレビの映像を見ているだけでは
彼の全てなどわかりようはずもないけれども。

彼もまた、平気で自分のことを、
フィジカルの弱さでは自信があるだの、
足は遅いだの上手くないだのと言うから
また余計、見ていて歯痒く感じられるんでしょうね。

強い言葉を吐いて表情豊かに語る人間の方が
わかりやすくて良いから。

人間は自分が理解できないものは自然に
避け、恐れ、非難する傾向があるもの。

そういう意味で言えばヤットはわかりにくいし、
シンプルに思い入れを持ちたい人にとって、
対象としては難しいかもしれないですね。

がしがしがつがつ走らないだけで、
かなり走ってるんですけどね。
テレビって、オフザボールは映らないからなぁ

その代わり、その真髄に気付いてしまうと
離れられなくなるんですけど

まぁ、信者と言われればそうかもだけど、
ただ、私は二川孝広の方が上手いと思うけどね


全てを知らないのに全てを知ったように語る、
そんな人達の思惑など、彼はたぶん気にしない。
だって、ピッチで示す結果が全てであることを
彼は嫌と言うほど知っているのだから。

そして、そのための一番の方法を、
彼はずっと探しているのだと思う。


彼のうわっつらな印象だけで彼を判断している人達には、
彼の本当の芯の強さ、秘めたものの熱さなんて、
わからないんだろうな、と思う。
その印象で全てを決めてしまい、彼の真髄を見ようとしない人達は
思いの外多くて、私には本当に悲しいことなのだけれども。

仕方ないですね。
そういう人達のある意味色眼鏡な見方、
どうこう言っても変えられない。

ただ、この記事を見て、
少し考えを変えて貰えたら嬉しいんだけど。


いくら走っても疲れないボールをうまく走らせられたら
きっと素晴らしい攻撃が出来る。
けれど、パスは受け手がいて初めて成立するもの。

彼が代表でボールを持ち、悩んで周りを眺める姿は
見ていて切なくなります。
動いてくれよ、スペースを見つけてくれよ、と
受け手となるべき選手達に憤りを覚えることも
少なくない。
敵のDFと手つなげるんじゃないかってくらい
ぴったり一緒にいられたらパスなんか出せない。

でも、パスを出さずにいるヤットが非難される。

もっとはたけ、前に蹴れ、と言われる。

受け手の準備が出来ていないのに、
どこに出すの


闇雲に前に蹴るサッカーなんて知らない。
ましてやカメルーンやデンマーク、オランダ相手に、
そんな曖昧なボールを前線に蹴りこんで、
日本の前の選手がボールを奪えるとは思えない。


やっぱりね、彼が信じたことをやるしかない、
と改めて思う。


ヤットは、ただただパスを回すことしか考えてない
そんなシンプルで意固地な選手じゃないですよ。

彼はいつでも、ピッチを眺めている。

彼自身のその良さも含め、全員が自分の良さを
そのピッチで示すことが出来るように、
そのことをきっと、死ぬほど考えていると思う。


想いの強さがすべて力になれば良い。
そう願わずにいられない。


気がつけば、歴代のどのチームよりも
このチームの勝利を祈ってる自分がいます。
歴代のどのチームよりも期待されていない、
チームなのにね。

だからこそ。
ネガティブなものを全て弾き返し、
何かを成し遂げて欲しい。


改めて。
口先だけのうわっつらなおためごかしではなく、
心から、日本代表を応援します

ヤットのためにも