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千夜千冊伴走日記

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Mar 24, 2006
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【485夜】『檸檬』 梶井基次郎 1991 集英社文庫

梶井基次郎は、1932年3月24日、肺結核のために亡くなりました。31歳でした。彼
が結核を発病したのは20年、第三高等学校理科甲類在学中のことです。そのため
に生活は荒み、学業は怠りがちとなります。それでも5年がかりで高校を卒業し、
24年、東京帝国大学英文科に入学。翌年、学友らと雑誌「青空」を作り、『檸檬』を
発表しますが、病状が悪化し、退学して伊豆・湯ヶ島で療養生活を送ります。

今でこそ、結核というと過去の病というイメージですが、それは1944年にストレプト
マイシンが開発され、結核の治療の糸口が見出されて以後の話です。それまでの
結核は「不治の病」として恐れられ、よく知られている歴史上、文学上の人物も若く
して亡くなった人の多くが結核でした。たとえば…

滝廉太郎(23歳)、樋口一葉(24歳)、立原道造(24歳)、沖田総司(25歳)、高杉
晋作(27歳)、石川啄木(27歳)、八木重吉(29歳)、新美南吉(29歳)、中原中也
(30歳)、佐伯祐三(30歳)、正岡子規(34歳)、国木田独歩(36歳)、長塚節(36歳)、
宮沢賢治(37歳)、といった具合です。結核を題材とした文学作品も多く、自身が肺
結核で長い闘病生活を送った堀辰雄の『風立ちぬ』、徳富蘆花の『不如帰』などが
あり、俳人の石田波郷は数多くの闘病句を詠みました。

結核は空気感染ですから、いつの間にかどこからともなく忍び寄ってくるという性格
を持っています。エイズなどよりはるかに感染力が強く、予防の方法がほとんどあり
ませんでした。このころは結核だけでなく他にも多くの感染症があり、若い人であっ
ても「死」は決して遠い存在ではなかったのだ、とあらためて思います。つい50年ほ
ど前まで、若くして命を失うことは常にありえることだったのです。

「国民病」といわれるほどの猛威をふるった結核が完全に治る病気になったのは、
最終的な特効薬であるリファンピシンが73年に使われるようになってからのことです。
ただし、結核は”過去の病”とは決して言えないようです。現在も死亡順位の20位
前後にあり、日本は先進国中では群を抜いて結核感染率の高い国です。

咳が長引いて風邪だと思っていたら、実は結核だった、そして、知らぬ間に職場や
学校、近隣の人に集団感染を引き起こしていたなどという事例が後を絶ちません。
若い人は結核が猛威をふるった時代を知りませんので、免疫もなく、感染しやすい
ということがありますし、高齢者では、かつて感染し、免疫の力で抑え込んでいた
結核が病気や老化に伴う免疫力の低下で再発することがあるようです。



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Last updated  Apr 29, 2006 07:34:02 PM


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山石水皮@ スピノザと17世紀について スピノザは日本について著書で書いている…
大宮信光@ 質問させていただきます。 「H・G・ウエルズが「ハザール人は今日ユ…
夏至@ 『日本の歴史をよみなおす』正・続読みました 子犬のロンさん、コメントありがとうござ…

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