虎魂悼罪

2019/10/12(土)14:40

どの国でも軍人ってエリートで尊敬されるんだけどね(日本以外)

横浜にいた頃、元自衛官の後輩が2人ほどいました。曹候補生への昇進試験に通らなくて除隊してウチに再就職したんですが、本人たちが自虐的に「試験落ちてクビになったんすよ」みたいに言ってるから周囲も「しょうがねーやつだな」みたいな扱いしてましたけど、まぁ一般的にはあまり知られてないんだろうね。 自衛隊って入隊できても曹への昇進試験に通らないと最大でも6年でクビです。 階級的には一般の入隊試験で高卒の子とかが入ると陸自なら2等陸士。海自なら2等海士とかって階級から始まるんですが、2士、1士、士長ってのは一般企業で言えばバイトとか契約社員です。「もともと自衛隊に居ました」と一般企業に中途採用される大多数はこの階級だった人達が多いと思います。で…その曹への昇進試験ですが、オレも細かい数字は知らんけど本人達曰く「合格率1割からどんなに多くても2割じゃないですかね?」だそうだ。 「そのうち徴兵制もある!」とか騒いでる左派をオレが「バカじゃねーの?200%ないわ」と一蹴する理由の一つはここ。自衛隊は確かに予算も人員も足りてないけど、「足りないから誰でもいい」という組織ではない。有象無象の徴兵制は軍の弱体化を招くってのが今の世界の通説。 3曹とかになれるのは厳しい試験を通った隊員だけです。 そして3曹からは定年まで自衛隊に居られます。 まぁ自衛隊に何年かいれば人格形成も規律もキッチリした人間が出来上がるから、企業としては採用しといて間違いのない人材ではあるし採用率も高い。資格もたくさん取れるしね。ちなみに自衛隊全体で、この1曹から3曹までの階級の人が半分以上を占めます。普通の会社の一般職社員だと思えばいい。 まぁ全員試験パスしてるので一般企業の平社員より明らかに優秀ですけど。3曹→2曹→1曹→曹長と昇進しますが、高卒一般で入隊して曹試験も通った隊員でも定年までで曹長止まりの人が多いんじゃないかな? 曹長とか1曹はオレのイメージでは雇われ店長とか管理職的なポジションの認識だけど。 曹長から上に行くにはまた試験があります。おそろしく難しいので合格率は曹試験の比じゃないそうで、横浜にいた元自衛官曰く「自分がいた隊の中隊長が言うには合格率5%」だそうな。 これに受かれば「幹部候補生」のエリアに入りますが、2士からスタートでここまで登る人は間違いなく他の企業でも出世間違いない。俗にいう士官ですな。 ところが、防衛大学を卒業した幹部候補生は准尉からスタートするし一般の大学を出て幹部候補生の受験資格を持って受ける人もいるらしい。 ちなみにオレの地元の同級生は防大出てこのルートで入ってます。 踊る大捜査線的な例えで言えばキャリア新人のユースケ・サンタマリア的な位置ですかね。 一応、幹部候補生試験の合格者と防大卒から入った人は建前上は同じ待遇ですが、後の出世スピードは段違いです。なんなら扱いも少し違うとか。 3尉から1尉までの尉官は士官なので普通に数十人の部下を率いる小隊長とか中隊長とか要するに兵卒というより指揮官ですな。1尉からさらに昇進すると3佐。俗にいう佐官です。左官屋ではありません。昔の階級で言えば少佐、中佐、大佐です。またまた登場、踊る大捜査線的な例えで言えば初期の柳葉敏郎とか筧利夫とか。2佐とかになると海上自衛隊で2等海佐なら護衛艦の艦長クラス。もしくは司令部とかで幕僚やってるパターンもあるかな。 イージス艦とか最近出て来た空母型の護衛艦の艦長は1佐かな。陸上自衛隊なら大隊長とか軍団長?部下の数は軽く100人とか超えるので普通の中小企業の社長より部下多い。 佐官になると陸空海どこも何万人いる隊員の中で数百人かな。全体の数%か。これもその後輩から聞いた話ですが「噂でしかないけど2士からスタートして叩き上げで3佐だか2佐まで行った人がいるらしいです」とか言ってたので、まぁこのあたりはほぼ防大卒の隊員で占めてるんでしょうな。 踊る大捜査線的な例えで言えば織田裕二がギバちゃんの位置まで昇進したみたいな。…まぁ普通はねぇな。 佐官の上は将官。昔で言えば少将、中将、大将になるんでしょうが、自衛隊では陸上なら陸将補、陸将、その中でトップの幕僚長になる人が大将に相当かな。 踊る大捜査線的な例えで言えば、事件が起きてない会議室で会議してる人達…ですが、あの人たちよりは比べ物にならないくらい優秀です。 前述の今は3佐だか2佐だかの防大卒の友人も「遠くから見たことはあっても会話したことはない。」だそうな。 このクラスの階級の人になると勤務中の移動に自衛隊機ヘリとかをチャーターできちゃいます。 まぁ、もともと自衛隊員は公共交通機関で移動せず自前で自走ですけど、将官クラスは操縦士や運転手がつくのが違いですか。 一般で言えば超大企業の役員みたいなもんですしね。 そもそもこの階級の人達って普段は基地とか駐屯地にいないんじゃないかな。この辺りになると方面軍司令とか海自なら艦隊司令とか、地方総監とか、自衛隊の中でも数十人しかいないトップエリートですな。ほぼ確実に全員防大卒の上で、その中でも選ばれた人だけがなれる。 ちなみに自衛官時代に東京裁判を否定し南京虐殺を事実無根と主張した田母神俊雄氏は元、航空幕僚長です。航空自衛隊のトップだった人がああいう発言をしたので結構騒がれましたが、逆にトップだから言えたとも思います。 頂点にいかなきゃクビにされて終わってたんだろうし。で…なんでこんな話をしたかというと、実はウチの近隣店舗に中途採用の面接に来た人の履歴書をマネージャーがこの前持ってきてて、メシ食いながら見てたんですよ。そしたら職歴の所に自衛隊が記載されてて最終階級が3等空曹ってなってたんで「曹試験通ったのに自衛官やめるなんてモノ好きですね」と言ったらマネージャーは「曹試験ってなんだ?」と。説明面倒なんで「結構難しい試験に向けて何か月も勉強する努力ができる人だから採っとけば間違いないですよ」とだけ言ったんですけどね。なんならウチの職場で欲しいくらいだ。

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