2006/09/12(火)17:56
アーミテージのうっかり漏洩
アーミテージ元米国国務副長官が「やりきれない思いです。毎日、大統領や国務長官、国務省、家族、そして、ウィルソン夫妻に申し訳ないことをしたと思っています」とコメントしました。
この問題は2003年にイラク戦争を批判していた元外交官ジョゼフ・ウィルソンの妻バレリー・プレームがCIAの捜査官であるという情報が流れ、全米で大きな関心をひきつけたことに発端があります。
米国では、工作員の身元を明かすのは犯罪に当たります。
司法省はこの問題を刑事事件として捜査した結果、この情報漏洩にアーミテージ元国務副長官が関与していたことが明らかになりました。
しかし、当の本人は意図的なものでは決してないとしています。
事実、FBIと特別検察官がアーミテージの取調べを徹底的に行ないましたが、起訴は見送られました。
アーミテージ元国務副長官は穏健派として、当時上司のパウエル元国務長官と共に、イラク戦争に悲観的立場をとっていたため、この件でホワイトハウス側が圧力の形として、この情報漏洩を流し、国務省の立場を弱体化させようという試みがあった、との陰謀策も聞かれます。
この事件で副大統領補佐官が起訴されている点からみても、その可能性はあります。
アーミテージ元国務副長官は「アーミテージ・レポート」で日本政府が有事法制を進めていくきっかけを作った人物として有名です。