|
カテゴリ:たまごクラブに載ったこと
4人目。これが一番、キョーレツというか、私にしてみれば、非常識な人たちだった。
今まで出合った3人とも、それぞれに色々あって、ちょっと、うんざりしていた私。 3人目と、ちょうど同じ頃、4人目の人から、『会いたいですね!』と、手紙をもらっていた。 ちょっと、不安だった私は、思い切って、今まで会った人たちのことを、手紙に書いてみた。そしたら、その人からの返事は、 『酷すぎるね。子供のこと、なんだと思っているんだろう…。 最近、私、あるサークルに入ったのだけど、一緒に行きませんか? 常識のある人たちばかりで、とっても、楽しいですよ』 と書いてあった。 うーん。会ってみるか…。 直接、電話で話して、お昼をみんなで食べるというから、私も参加させてもらうことに。 最近出来たばかりの、市内在住のママ達の育児サークルで、みんな、すぐに意気投合したとか。 途中から入るのは、ちょっと気が引けたけど、いろいろな人と友達になれるのは、自分の世界が広がるし、いいことだもんね。 待ち合わせのバイキングのレストランに着くと、すごい人。とても、すぐには入店できそうもなかった。 とりあえず、初対面の彼女と、あいさつ。 …キャミソールに、つっかけ…じゃなくて、なんて、言うんだっけ…?? あ、ミュールか。茶髪というよりは、金髪に近くて、ちょっと、ガングロ系のメイクをしていて、いかにもヤンママ(死語だ…)な出で立ち。 ちょっと、嫌な予感…。 このままじゃ、入れそうにないから、店を変えることにした、と言うので、そのまま、彼女の車についていった。 真っ黒の軽で、エアロ仕様。人形がいっぱい積んであり、なんていうか、その…、『若者の車』という感じだった。(私、古いな…) 着いた先は、カラオケボックス。 後から、同じような軽が、いっぱい入ってきた。…それぞれが、車高が低かった。 まさか…。 そして、それぞれの車から降りてきたヤンママたちは、全員、同じ格好をしていた。キャミソールに、ミュール、金髪、ガングロ系メイク…。 ひえー、そういう人たちの集まりなの!? キャミソール着用が、ルール?? 私は、Tシャツにジーンズ。あきらかに、浮いている…。 昼食をとるために集まったはずなのだけど、ひとりのママが、 「あたし、お腹すいてなーい」 と言うと、 「あー、あたしもー」 「そうだね、別にまだいっか、ってかんじー」 と、口々に言い出した。 最初に言い出した彼女には、4歳くらいの男の子がいたのだけど、 「ママ、お腹すいたよ…」 と言うと、 「これでも、食ってろよ。うるせぇなっ」 と、クッキーのようなものを、男の子に渡した。下の子には、ベビーせんべいを渡す。 「とりあえず、飲み物でも、頼もうか」 と、誰かが言い、ピッチャーポットのジュースを何個か注文。花びんのような、でかい容器に入ったジュースが来た。 そしたら、8人くらいいた、彼女達が、いっせいにタバコに火をつけた。 あの、狭いボックスの中で、小さな子供達がいるのに…。 ゆうゆうは、当然の如く、むせた。 私も、タバコのにおいが苦手なので、トイレに行くふりをして、非難。あんなところに、ゆうゆうを置いて置けない。 そして、いそいで、姑に電話。 「お願いだから、すぐに、私の電話に折り返し、電話をかけて!! すぐにお願いします!!」 と言って切った。 でも、姑は、よく理解していなかったのか、なかなかかけてきてくれない。 部屋に戻ると、煙でもやもやとした中、赤ちゃん達が、平然としていた。 …慣れているの? 大人の私だって、こんなにも息苦しいのに…。 ゆうゆうも、私から離れようとしない。 彼女達は、カラオケをするわけでもなく、楽しそうにおしゃべりをしていた。 「今ね、今度は、みんなでパチンコ行こうよって、話していたところだったんだよー」 と言う。 えぇー、パチンコ?? 子連れで、パチンコー!? もー、私とは、住む世界が違う。・・・と、めまいを起こしていたら、電話が鳴った。 「ちょっと、ごめんなさい」 私は、すかさず、部屋を出て、電話に出ると、当然、姑が驚いた様子で、聞いてくる。 「なにか、あったの!? 大丈夫なの?」 「うん。とりあえず、帰ってから、ゆっくり話すから…」 それだけ言って、電話を切った。 そして、また、部屋に戻り、彼女達に、 「なんだか、姑が、具合が悪いから病院に連れて行って欲しいって言ってきたから…」 と、適当に理由をつけて帰ることにした。もー、こんな煙たいトコ、一秒だっていられない…。 「そっかー。残念だね。また、今度ね」 「うん。それで、ここの支払いは…」 と、何も手をつけてもいないし、カラオケを歌ったわけでもないけど、とりあえず、聞いてみた。 そしたら、 「そうだよねー。受付に聞いて、支払ってよ」 と、言われてしまった。うー、やっぱり支払うのか…。 受付に行って、聞いてみた。 「帰るのですけど、いくら払えばいいですか」 「え!? もうですか? 歌われてないですよね」 「はい。急用ができまして…」 「うー。これからどのくらいいるのか、分かりませんので…。別に、いいですよ、数分しかたっていませんし、頭数には、入れませんので…」 と、店員さんも言ってくれたけど、 「歌ってないし、飲んでもいないから、支払いなんていいよー」 とは、言ってくれなかった彼女達のこと。何を言われるか分からないので、 「じゃあ、これで…」 と、2千円を置いてきた。 「いいんですか?」 と店員さんは言ったけど、結婚してから、カラオケなんて、ずっと行っていなかったし、この頃の、カラオケの相場なんて知らない私は、そうするしかなかった。 そして、店を後にして、すぐに家に帰った。 時間は、すでに3時近くなっていた。 お腹はぺこぺこだし、ゆうゆうにも、あんなところに連れて行ってしまって、可哀想なことをしてしまったと、すごく、後悔した。 別に、キャミソールなどを着て、華やかにしていることが、悪いのではなく、子供のことを、何一つ考えていなく、自分達の好きなことをしている彼女達のことに、あきれ返ってしまった。 母親の自覚、とか、自分を犠牲にして、子供達のために…なんて、コトじゃなくて、なんか、こう、うまくいえないけど、こんな人たちがいるんだ…ということに、ショックを受けた。 その後、彼女から手紙が来た。 「こないだは、残念だったねー。また、今度ね」 みたいな事が書いてあった。 私も、私を自分の仲間に紹介してくれた、彼女の顔をつぶさないように、細心の努力をしたつもりだったので、自分を責めるような内容が書いてなかったことに、安堵した。 そして、当たり障りのない内容の手紙を返した。 …もちろん、また、会いたいなどとは、書かなかった。 そして、彼女から、手紙が来ることは、二度となかった。 実は、この後も、もうひとり「会いたい」と言ってきてくれた人がいた。 年賀状の写真を見ても、誠実そうなだんな様と、やんちゃそうな男の子と一緒に写っている彼女は、素敵な笑顔の女性だった。 でも、もう誰とも会いたくなどなかった。 これ以上、こんな思いをしたくなかった。 翌年の年末、喪中はがきが来て、彼女は、だんな様のご両親と同居することとなったと、書いてあった。 転居先の住所は、改めて、またね…と書いてあったけど、それきり、彼女からも手紙が来なくなった。 この年、我が家も喪中で、喪中はがきをそれぞれ出した。 そして翌年、ペンフレンド達に、こっちからも年賀状を出さなかったし、彼女たちから、誰からも来なかった。 そして、私の、たまごクラブから始まった文通生活は、自然消滅した…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[たまごクラブに載ったこと] カテゴリの最新記事
|