お煎餅、お前もか!?
最近、添加物や甘味料、油などが気になって、ほとんどお菓子類や珍味類を食べなくなりました。でももらったりすると、「ゲ、保存料が入ってる」とか「青色1号だ~」といいながらも、結構食べたりするのですが(この自虐的行為がなかなか快感だったりもして)、それでも食べる機会、量は以前に比べればかなり少なくなったはずです。ポテトチップスも、ケーキも、団子も、さきイカも、サラミも、食べていませんね~、好きだったんですが。でもやはり、ときどき口寂しくなったりするわけです。そういう時などは、できるだけ味付けが複雑でないものをということで、昔ながらのせんべいなどを食べたりすることもあります。それも、シンプルなごませんべいとか、ピーナッツ入りせんべいとかです。ごませんべいはホントに素朴な味で、どうも物足りなさを感じてしまったりもするのですが、そんなせんべいにもひとつ気になることがありました。シンプルな原料表示の中にたいてい「膨張剤」と書かれているからです。いわゆる添加物の「一括表示」の中のひとつです。やはりよくない添加物なのでしょうか。カタカナ名でないと、なぜか安心してしまうところもあったりして、詳しく知ろうとしなかったのですが、頻繁に食べるようになると気になってきます。膨張剤―「和菓子、洋菓子を問わず使われ、ふんわりとしたやわらかい食感にするために、少量ながらかなり大切な役割を担っている」、それが膨張剤だそうです。「膨張剤は、熱が加わるとガスを発生させます。生地の中で発生したガスが、気泡となり生地を押し上げふくらみます。」「生地に空間ができることにより、火通りをよくさせるという働きにも役立っています。そして、小麦粉のα化を助長させる働きもあります。」(α化とは、小麦粉が熱と水によって膨張し、糊状に変化することだそうです。)膨張剤には、酸性のものとアルカリ性のものがあるそうです。「特徴としては、酸性のものは小麦粉中のフラボノイドを無色にする働きがあり、仕上がりを白くすることができます。アルカリ性のものは、小麦粉中のフラボノイドを黄色にする働きがあります。」よく使われる膨張剤の主なもの―<イスパタ>イーストパウダーの略。アンモニア系合成膨張剤。成分は、重曹と塩化アンモニウムを混ぜたもの。重曹に対し、塩化アンモニウム20%~30%。酸性なので、生地が白くなる。白くしたいお菓子に使う。紅白饅頭の白など。発生するガスにはアンモニア臭があるので、臭いが抜け切らないと苦味と臭いが残る。アルカリ性の膨張剤よりも、菓子の硬化がやや早い。使用量は、小麦粉に対し2~3%。粉と一緒にふるって使う。<ベーキングパウダー(ふくらし粉)>アルカリ系合成膨張剤。重曹と酸性剤を混ぜたもの。酸性剤には、酒石酸などが使われる。効果が強烈なので、たいていはコーンスターチなどが混ぜられ緩慢に働くようにしている。アンモニア系のものが入らないのが特徴なので、臭いや苦味が残らない。ベーキングパウダーには色々な種類があり、酸性の強いものやアルカリ性の強いものなどある。効果も、速効性のもの、遅効性のものなどがある。使用量は、蒸し物なら2~3%、焼き物なら2.5~3.5%。粉と一緒にふるって使う。<重曹>アルカリ性の膨張剤。重炭酸ソーダ、重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどとも呼ばれる。膨張力が強く、グルテン(小麦中の約 85% を占めているタンパク質)を柔らかくする働きもある。出来上がりの弾力性も富む。アルカリ性のため、生地が淡い茶色になる。茶色くなっても良い「利久饅頭」(黒糖まんじゅう)などに使うと良い。使用量は、小麦粉に対し1~1.5%。ガス発生後は、独特の臭いがする。酸性剤を加え中和させるとその欠点はなくなり、茶色くなるのも防げる。う~ん。もう少し詳しく。・イスパタに使われている「塩化アンモニウム」について。「毒性としては犬に5~6g投与すると1時間以内に死亡し、人間が多量に摂取すると吐き気や嘔吐を起こす。熱で分解されるがアンモニアと塩素を発生させる。」という報告あるそうです。逆に、そんなことはない(=安全)という見解もあるようですが、「発生するガスにはアンモニア臭がある」というのはいかがなものでしょう。とりあえず食べ物ですから。 ・ベーキングパウダーに使われている「酸性剤、酒石酸など」について。酸性剤といわれるものはいろいろあるそうですが、たとえばd-酒石酸水素カリウム、第一リン酸カルシウム、焼きミョウバン、グリセリン脂肪酸エステルといったものが代表的なようです。d-酒石酸水素カリウムについて。天然にはブドウの汁に多量に含まれていて、一般に人体には無害であるといわれています。しかし、「マウス(ハツカネズミ)の経口LD50(半数致死用量)は約4g/kg。犬に毎日、体重1kg当たり約1g与え続けたところ、90~114日で尿に異常」という報告もあるそうです。第一リン酸カルシウムについて。天然の鉱物などに含まれているものだそうです。こめ、小麦、味噌などに主にカルシウム強化の目的で使われたりするそうです。毒性は炭酸水素ナトリウム(重曹)と同程度で低いと考えられているそうです。焼きミョウバンについて。漬物の色をよくするために昔から使われているもので、正しくは「硫酸アルミニウムカリウム」というそうです。「人間が大量に飲みこむと、下痢、嘔吐、さらに消化管の炎症を起こし、きわめて大量のものを服用したり、誤飲すると、消化管刺激、チョコレート色粘液物質の吐出、血尿、その他腎刺激の徴候を見ます。」「大量」とは、数十グラムらしいです。グリセリン脂肪酸エステルについて。安全性はかなり高いようで、実際に適用しうる量では急性毒性は現われないそうです。「また飼料に15%及び20%という沢山の量を加えて、ラットに三世代にわたって与えても、各世代の初期体重増加の異常は見られず、生殖及び乳汁分泌器官も正常でした。」う~ん。これに輸入物のコーンスターチ(遺伝子組み換えとうもろこし原料)が加わるわけです。ちょっと遠慮したいという感じです。・「重曹」について。昔から世界中で用いられているものです。「ワラビなどの山菜のアク抜き、松の実などの臭み取り、冷凍エビの食感改善などにも使う」そうです。最近では日本でも家庭の掃除や洗濯、歯磨きなどにも使用されることが多くなりました。また制酸剤として胃腸薬にも使われています。「ラット(実験用シロネズミ)に対するLD50は経口で4.3g/kg(体重1kg当たり4.3g)。人間の推定致死量は200~300gであり、毒性は弱い」ということになるそうです。う~ん。重曹=炭酸水素ナトリウムに関しては、どうやらある程度安心できるようです。しかし膨張剤以前に、せんべいの本体である小麦粉はどうなのという問題があります。今の日本で小麦粉はほとんど輸入物です。輸入小麦の実体(危険性)―「日本は小麦の90%をアメリカ、カナダ、オーストラリアから輸入しています。」「小麦が輸入されるまでクン蒸(有毒ガスで害虫を駆除すること)が3回行われている可能性があります。」1.輸出国での保管中2.輸出時(船積み時)3.日本到着時に害虫が見つかれば行う使われるクン蒸剤(防虫・防カビ)・リン化アルミ…急性毒性が強い・臭化メチル…発ガン性の危険性がある使われる接触殺虫剤(有機リン系農薬)・マラチオン…殺虫剤、アブラムシなどに適用、ハエ・カなどの駆除の為ゴミ埋立地で使用される・スミチオン…殺虫剤、防疫用薬剤、家庭用殺虫剤、防虫畳などにも使用される・クロルピルホスメチル…稲のニカメイチュウや野菜の害虫に使用上記のような農薬類が使用され、「その結果市販パン、学校給食のパン、即席麺などからも農薬が検出されているのが実体」なのだそうです。小麦粉は、「ポストハーベスト・フルーツ」とは違い細かい粉です。そこに防カビ剤や防虫剤が振りかけられたら、もはや人間の目では区別もつきません。う~ん。素朴に見えるお煎餅ひとつ食べるのもたいへんな時代ですが、しかしそうなるともはや、せんべいを云々といっている場合ではなくなります。小麦粉から作られるもの、例えば、天ぷら粉、から揚げ粉、お好み焼き粉、チヂミ粉、たこ焼き粉、ホットケーキミックス、ナンミックス、パン、パン粉、パスタ、中華麺(ラーメン)、うどん、クッキー、ビスケット、そば類、餃子、饅頭、もんじゃ焼き、トルティーヤ、カステラ、ケーキ、及びそれらの加工品等々のほとんどが危険ということになります。国産の小麦の生産量は10%しかないそうですから、市販の小麦粉製品のほとんどは輸入物になるはずです。う、う~ん。結論。今回は、せんべいだけの結論です。・小麦粉が原料なら国産をうたっているものにする。・でなければ、もち米や玄米などを原料にしているものにする(それも有機をうたっているものならもっといい)。・膨張剤も重曹(炭酸水素ナトリウム)くらいまで、それ以外の膨張剤使用のものは避ける(普通は膨張剤としか表記されないことが多い)。・無添加をうたっているせんべいは、材料や製法にこだわって作られているものが多いようなので安心です。~岩手県産小麦粉を使用して、昔ながらの製法で作った手作り無添加せんべい~~北海道産の小麦粉を使用して、○○の無添加味噌を練りこみ、重曹を使わずに作りました~う~ん。最近めっきり、この「昔ながらの製法」というフレーズに弱くなってしまいました。 小樽素采亭 お蔵の南部せんべい・しかし、あるいは開き直って(?)、「普通のせんべい」でも一般の菓子類に比べたらかなり添加物は少ないので、それはそれで妥協して食べる。(あまり神経質になってもねえ~、毎日食べるものでもないですし。)わかればわかったで、食べづらくなるものです。